講談社文庫<br> 惜春

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講談社文庫
惜春

  • 著者名:花村萬月【著】
  • 価格 ¥565(本体¥514)
  • 講談社(2013/11発売)
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  • ISBN:9784062753814

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内容説明

琵琶湖のほとり、田圃の真ん中で派手なネオンを輝かせる雄琴(おごと)のソープランド街。そのひとつ、〈城〉のオーナーに騙され、佐山豊は東京から連れてこられた。二十歳の童貞青年は理不尽な労働環境に悲嘆し、姐さんたちの身辺の世話に悶々とする――。彼女たちは汚れているのか。童貞青年が苦悩する感動青春小説。(講談社文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GAKU

52
まだソープランドをトルコ風呂と呼んでいた、ベトナム戦争集結の1970年代が舞台。歌舞伎町のぼったくりバーでアルバイトをしていた佐山、20歳、童貞が主人公。ひょんなきっかけから雄琴のトルコ風呂に、住み込みのボーイとして働くことに。トルコ嬢達との触れ合い、悲哀。彼女達から搾取するオーナー等、当時の性産業の実態。花村氏の小説としては珍しく凄惨な暴力シーンは全く無く、設定の舞台は異色だが、主人公の「若さと誠実さ」が良く描かれていた。読む前のイメージとは違い、爽やかで、ホロッとくる一風変わった青春小説でした。2016/05/23

lonesome

36
11年前にこの本の単行本を読んだ時の自分と今の自分で何か変わったところがあるだろうか。確かにいくつかの恋をしてその数だけ失恋してきた。でも、根本にあるものは何にも変わっていないのかもしれない。この小説を全ての女性にオススメ出来るかといえばそれは疑問だ。けれどやっぱり自分はこの物語の世界観が好きで、佐山と吹雪のデートは憧れだ。佐山の悲しみ、吹雪や百合との機微。現実から目を逸らさない姿があるから決して綺麗事だけの切なさでは終わらないのだ。今回読んでみて、この登場人物たちのその後の物語も読んでみたいと思う。2014/04/18

Dai(ダイ)

28
ソープランドがまだ、トルコ風呂などと呼ばれていた時代に店のボーイとして連れてこられた一人の童貞青年の成長物語り。花村萬月の描くキャラは皆、悪人であってもどこか憎めない可愛らしさがある。この本はこの作者にしては珍しく殺人とかの暴力は出てこない分、女性にも読みやすいかもしれない。ソープランドの裏事情みたいな物も出てくるので読み手は選ぶが。最後は主人公の成長をうかがわせるシーンで終わるのだが、今後どう変わっていくのだろう。気になる。2014/12/09

はらぺこ

25
オモロかった。雄琴のトルコ風呂(ソープランド)でボーイとして働く事になった青年の話。オススメの青春小説です。2017/12/22

パンナコッタ

13
1970年代、まだトルコ風呂と呼ばれていた風俗街「雄琴」を舞台にした連作集。概要だけ説明するとアレだけど久々に読んだよってぐらい青春小説。垢抜けなく業界に馴染まなほど純粋な主人公が理不尽な大人であったり、深い孤独を抱えた女達の前にどうする事も出来ないもどかしさを知ったり、ヤクザ者だけど何処か芯が通っていて憎めない友人と出会ったり。少しずつ汚れや嘘が常套化している大人の世界に足を踏み入れつつも、そんな純粋な主人公に惹かれていく大人達、汚れと潔白が入り混じるド青春小説。2017/12/12

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