内容説明
消し屋──ターゲットを殺したあと、自分の生きてきた痕跡も消して、時代とともに進化するプロの殺し屋。恋人のオカマの蘭子とともに、福岡に流れてきた天才的消し屋・幸三が、昔なじみのヤクザからもちかけられた標的は、地元球団ホークスの名捕手・真壁。ただし、殺しはナシで、彼を一試合の間だけ消す、という奇妙な依頼。付け入る弱みが全くない、野球一筋で真面目な真壁を、幸三が追いつめてゆく──。ひと癖もふた癖もある登場人物満載の、痛快アウトロー小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
212
イラストも描き、オブジェも制作するヒキタクニオだけあって、読んでいて映像が浮かび3次元的に面白かった。プロ野球シーンの描写も違和感なし。「消し屋」という人殺し稼業でありながら、何か憎めない主人公のキャラクター。ヤクザ用語がすっと馴染み、博多弁が心地よかった。2020/08/15
まーしゃ
39
イマイチと言うより期待ハズレだった感じがする。笑えないホモ、オカマの乱闘… コレっと言ったグロさもなくストーリーもイマイチ… 狂気の桜を読んでたら少しは違ったのかな…2018/06/03
Walhalla
34
職業が『消し屋』ということなので、かなり身構えてしまっていましたが、わりとコメディっぽい部分もあって読みやすいですね。ただ、あとで知りましたが、これは私の知らない別の作品のスピンオフだったのですね・・。何となく疎外感を感じていたのは、その辺りに原因がありそうです。2020/10/15
shiozy
18
『凶気の桜』に続く消し屋シリーズ第二弾である。「消し屋」とは単なる殺し屋とは違う。戸籍を消し、人間の痕跡を消し、刑事の功名心を消す。言わば、プロの完全犯罪殺し屋なのである。と書けば、ロボットみたいな殺人マシーンを想像するに違いない。しかし、さにあらず。オカマと同棲し、ヤクザに消し屋をセールスする、強烈キャラの消し屋さんなのである。『凶気の桜』の渋谷から一転、福岡に飛んで、博多弁が炸裂する。2015/09/27
バーベナ
8
『裸色の月』で出会った消し屋に再会。どうやら読む順番が逆。でも、あの人物は何者?というつながりが見えてきて、面白い。シリアスな話でもあるけれど、随所に笑えるところがあってかなり好き。2015/08/26