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内容説明
歴史の表舞台から消滅して60年。日清・日露戦争を通じて「10万の生霊、20億の国帑」によって購われた大地――。なぜ満洲に日本人が大挙して向かうことになったのか。清朝中国、モンゴル、朝鮮、そしてロシア。さまざまな利害と思惑が生み出した満洲帝国とは、いったいなんだったのか? その数奇な運命を詳細にたどる。政治的立場や道徳的価値判断をいっさい排し、あくまでも歴史学的に満洲を位置づけようとした最初の試み。日中韓で事あるごとに巻き起こる歴史認識問題を理解するための必読書である。
目次
第1章 満洲とは何か
第2章 満洲の地理と古代
第3章 東アジアの民族興亡史
第4章 元朝から清朝へ
第5章 ロシアの南進と日露関係
第6章 日本の大陸進出―日清・日露戦争
第7章 日露戦争後の満洲と当時の国際情勢
第8章 満洲帝国の成立
第9章 日本史のなかの満洲
第10章 日本敗戦後の満洲
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
26
著者によると政治的、道徳的立場をいっさい排し、歴史学的立場で満州を位置づけようとした最初の試みだと言う。内容はその地域の古代(民族興亡史は図説を付けてもらいたかった。)から始まり敗戦後の満州(現代の東北3省まで触れて欲しかった。)まで。学術的側面に重きをなしたまじめな内容なので読了に苦労だが、一定の達成感はある。2020/11/20
三上 直樹
5
帰途で石原莞爾の墓所を通過するからにはと満洲帝国に関する本を手に。満洲族という民族はあったが満州という地名はなかったといった極めて冷静な分析で、かの地の通史をまとめた内容。その分、満洲帝国前後の記述が薄いのが画竜点睛を欠いています。2015/07/10
Рома
4
未だに歴史で深く語られない満洲帝国、筆者はモンゴル史が専門のようだがモンゴルと満洲はやはり密接な関係にあるのでこの本を書かれたそうだ。私は日露戦争ご載せて満洲について興味がありこの本を入門書として学習していこうと思ったのだが、紀元前の中国から記述が始まっており、PHP新書よりも中公新書のような記述で圧巻された。満洲はヌルハチの台頭の頃にその名前がつき、以前からも各歴代中華王朝、ロシア、モンゴル、日本などの勢力争いの場となっておりそれだけ魅力的な土地であるのだろう。同氏の真実の満洲史もこれから読みたい。2017/11/13
ボビーN
3
満州を取り巻く中国、朝鮮、ロシア、日本の関係をえがいており、興味深い。2014/08/12
草津仁秋斗
3
高校の世界史では名前しか習わなくてよく分からなかった北アジアの民族や国のつながりがよく分かった。しかしちょっと日本贔屓な描き方のような気がするのは気のせいか?2014/01/01