内容説明
幕末維新の時、十六歳で藩の歩兵隊長をつとめた“紀州藩の神童”－－岡本柳之助。明治新政府の軍人となった彼は、天賦の軍才を縦横に発揮するも、西南戦争後の竹橋事件に座し、無位無官の身となり、やがて大陸浪人として東洋の舞台へ雄飛する……。新政府を震撼させた竹橋事件、閔妃事件など、明治史の暗部に深く関わった著者が、長年の沈黙を破り、初めて数奇な生涯を語る。
感想・レビュー
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denz
4
竹橋事件、閔妃暗殺事件に関わった（前者については「とされる」）岡本の回顧録ではあるが、基本的には王政復古後の紀州藩の改革と西南戦争に関する回想で終わっている。巻末の平井晩村には彼の生涯が描かれているが、上記の事件については、詳しいとはいえない記述となっているが、珍しい伝記なので役には立つ。何よりも津田出の紀州藩改革を知るためには当事者の回顧として興味深く読める。2013/07/31
