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内容説明
「皇室典範」を改正して“女性・女系天皇”も容認すべきか否か。一部では、“男系男子”こそ万世一系の原理だという主張がなされている。しかし著者は、小泉首相の私的諮問機関である「有識者会議」の答申を大筋で評価しながら、皇統の安定的な永続には、さらなる工夫や方策が必要だと説く。すなわち、女帝もその子孫=母系による継承も認めたうえで、順位は兄弟姉妹があれば男子優先が望ましい、という。しかし、「女系容認論」は天皇制の否定になるのではないのか? 著者は最近数年の「女性天皇論議」を丹念に追いながら、「女系」が必ずしも天皇制の否定にはつながらない論拠を示す。そして、いま論ずべきことは、皇室の繁栄をいかに持続するかにある。そのためには、女性宮家の創立、皇族養子の復活、さらに天皇・皇太子の過密な御公務の見直しなどの具体案を提唱している。確実な史料と先学の研究を活用し、歴史家の視点から真摯に問う新しい皇室論である。
目次
第1章 最近数年の「女性天皇」論議
第2章 「皇室典範」と女帝問題の新論点
第3章 皇位の男系継承史と女系容認論の検証
第4章 皇位継承のあり方に関する管見
第5章 女帝否認論と女系懐疑論の問題点
第6章 女性宮家の創立と帝王学
第7章 歴代の后妃と女帝の役割
第8章 天皇陛下と皇太子殿下の御公務
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
15
皇位継承について色々な資料が出ているが皇室典範に関する有識者会議時の資料を中心に書かれている。さすがに専門家だけあって説得力は抜群だ。やはり女性天皇を考えるときにきているのだと思う。2011/02/19
ニコラス@ケンジ
3
同じこと何べんも何べんも言ってるだけのような気がしなくもなく、皇位の位とか呼称とかやや混乱するようなごちゃごちゃした感じで入門編としてはかなり敷居高い感じ。女性は子育てだけで大変だから天皇の国事行為は荷が重いでしょ的な考え方は何かどうなんだろうという気がしないでもない2016/09/03
Y.Taka
1
日々の生活に忙殺されると忘れがちになるが、日本という国の精神的なよりどころであり、千年以上、父系の皇統が継続していることは世界でも稀有である。父系の皇位継承が可能であったのは、非嫡出子(つまり側室の子)にも皇位継承が認められてきたこと、宮家によるバックアップがあったことによる。この2つの仕組みが存在しない今、「皇室の安定的な存続」を第一としたときに女性天皇、母系天皇を認める”より仕方がない”という所先生の主張は説得力がある。 戦後、GHQの指導などによる宮家縮小でさらに皇室の相続は不安定な状態となった。な2012/04/25
kuri
0
皇位継承や皇室に対し、所先生が真摯にご検討されている姿勢が伝わって来る1冊です。ただ我々下々が軽々しく口出しすることはではありませんが、旧宮家の復帰はもう少し検討されても良いのではと思います。臣籍降下してから60年以上も経過し、一般国民として生活している方々が皇族に復帰されることに対する懸念ですが、皇后陛下を始め、民間社会で2・30年間暮らして、皇室に嫁がれる方々を考えれば、60年という歳月は私には許容範囲です。2013/02/02
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