ちくまプリマー新書<br> 世にも美しい日本語入門

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ちくまプリマー新書
世にも美しい日本語入門

  • ISBN:9784480687272

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内容説明

日本語・日本文学に造詣の深い画家と数学者による対談集。古典や唱歌・童謡から日本語のもつ美しさ、奥深さを語り合い、すべての思考・学問・教養の基地となる日本語を学ぶことの意味を、存分に伝えていく。森鴎外『即興詩人』からは文語の素晴らしさを、落語からは高度なユーモア、唱歌・童謡からは文化の継承、と様々な角度から日本語をみていく新しいタイプの入門書。

目次

第1章 読書ゼミのこと
第2章 国語教育の見直しを!
第3章 日本人特有のリズム
第4章 日本語は豊かな言語
第5章 小学唱歌と童謡のこと
第6章 文語体の力
第7章 ユーモアと空想

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

98
画家と数学者、一見まったく別々のものとも思える世界の第一人者が語り合うとき、そこに共通のもの「美」がある。そういえば以前に森潔氏と小林秀雄氏の対談を書籍にまとめた『人間の建設』を読んだ時も同じであった。数学者と文芸評論家お互いの中に共通のプラットフォームがある。それは哲学であったり、教養や知性であったり、審美眼であったりするわけだが、突きつめていうと、それぞれの分野が違えどそこにある普遍的なものを知るに至っているということなのだろう。思い切って言ってしまえば、その普遍的なものとは「美」であるということ。2018/02/18

☆ゆう☆

61
新年会の里親企画にて読友さんより頂いた一冊☆少し難しく、けれど興味深く、勉強になった一冊。たくさんの文学作品や童謡が登場し、「美しい」日本語を観点にそれらの解説を踏まえ、対談構成で展開される。また、読書の大切さも再確認できる一冊。筋書きのような「ことがら」だけでなく、詩から受ける「美しさ」に心を動かされる感情を培うために文学作品に接する、美的感受性をつかむためには本を読むことが大切である、とおっしゃっていたのが印象に残った。これを機に少しずつでも岩波文庫を読むよう心がけれたら良い。2012/01/24

ばりぼー

28
(数学者でありながら)大学一年生を相手に読書ゼミをやっている。主に岩波文庫を毎週一冊ずつ読ませるゼミで、条件は一週間に岩波文庫を一冊読むだけの根性と一週間に岩波文庫を一冊買うだけの財力、その二つだけ。学生は「特攻隊で出撃する学徒兵は、前の晩に万葉集やニーチェを読んだりしている。田舎に残してきた恋人や父母に書く手紙も素晴らしい文章だ。私たちはこんなものはとても書けない。もっと本を読まないと、この無知蒙昧のまま人生が終わってしまう」と目覚めてくれる。これが大学生の素晴らしさで、私にとっての醍醐味だ。(藤原)2020/08/27

さきん

24
絵本作家と数学者の対談。新しい漢字を作った西周と漢文の素養のある森鴎外は同じ津和野藩であることに、何か漢文教育に関して特別なことがあったのではないかと思った。文語調の文章が格調高く、朗読すると楽しくなるのはその通りだが、日常まで溢れるのは、読むのが疲れるので好ましくない。慣れの問題かもしれないが。2016/12/11

佐島楓

24
対談集。おふたりが実際に師弟関係でいらっしゃったとは、初めて知った。古典と歴史をある程度ドッキングさせて若い世代に教える大切さを思った。関連している事項なのだから、教科の枠を超えても良いのではないか。2013/09/09

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