内容説明
江戸時代末期まで天皇が即位儀礼の場で行っていた密教修法である「即位灌頂」。その史的全体像をとらえるとともに、寺院に伝来した「即位法」史料の読解から、「中世王権」をめぐる仏教的世界観を構想する。
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目次
中世即位潅頂研究の展開―聖教のなかの歴史叙述
第1部 中世神話と即位潅頂(東寺即位法と王権神話―弘法大師と東寺即位法の可能性 醍醐寺三宝院流の即位法と王統分立―地蔵院方と報恩院方をめぐって 真言密教界における「帝王」の位相―王権をめぐる公家と寺家 中世の即位潅頂と「天皇」―即位潅頂実修の背景 ほか)
第2部 真言密教のイコノロジー(真言八祖像と中世の「空海」―弘法大師御影と「仏教三国」をめぐって 鳥羽勝光明院宝蔵の『御遺告』と宝珠―院政期小野流の真言密教 九条道家と真言密教―慧日山における摂関家の宗教構想 中世の「礼服御覧」と袞冕十二章―天皇即位をめぐる儀礼と王権 ほか)
中世の真言密教界と「空海」―仮託のなかの歴史叙述