内容説明
ドラキュラはなぜ日光で灰になってしまうのか。モスラはどうやって呼吸しているのか。人と魚が合体して人魚になる過程、カマイタチの鎌の成分、カオナシが食べた生物の声になるメカニズムとは――。古今東西の「架空生物」の謎を最新生物学で解き明かす。読み進むうちに頭が柔らかくなること間違いなし。仮想と現実、冗談と本気、奇想と学問が大胆に結合した「遊ぶ生物学」がここに誕生!
目次
第1章 遊ぶ解剖学(飛頭蛮―耳はどのように翼として機能するか;ケンタウロス―人間の胴体はどのように馬からつながったか;豆狸―陰嚢はどのように広がったか)
第2章 遊ぶ免疫学・遊ぶ発生生物学(ぬえ―キメラはどうして生き残ったか;カオナシ―食べた生物の声をどのようにして出せたか;人魚―ヒトと魚の体はどのように融合したか)
第3章 遊ぶ生化学・遊ぶ分子生物学(吸血鬼―太陽の光が当たるとなぜ灰になるか;カマイタチ―前肢の鎌はどのようにして出来たか;皿かぞへ―井戸から出てくる皿はなぜ九枚か)
第4章 遊ぶ細胞生物学(ろくろ首―首はどのように伸びたか;オオツキヒカリ―植物はどのように透明になったか;赤えいの魚―魚はどのように巨大化したか;目目連―障子にどうして目が出来たか)
第5章 遊ぶ生態学(カワリオオアゴウツボ―魚はなぜ泳ぐのをやめたか;モスラ―ガはどのように巨大化したか;蜃―ハマグリはどのように気を吐くか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林 一歩
32
傑作です。ろくろ首からカオナシまで、所謂「もののけ」について、医学的・生物学的見地から生態を淡々と書き連ねたもの。秀逸なのは「鵺」の章。頭は猿、胴体狸、足が虎で尻尾が蛇という無茶苦茶な取り合わせのもののけですが、これを免疫不全という切り口から考察しているのがツボでした。阿呆な事を真面目に理路整然と語る人は大好きです。2012/08/07
佐島楓
23
「ケンタウロス」「ぬえ」「ろくろ首」から「カオナシ」「モスラ」にいたるまで、想像上の怪物が実在したならその生物学的な成り立ちはどうなっているか、を大真面目に考察した本。大真面目に、と書いたが、まじめにふざけている、が近いか。ちょっとこの解剖図無理があるのでは、と思うものもないではないが、娯楽的に生物学をやっちゃっているという意味ではとても面白い。妖怪好きなかたにもおすすめ。2013/09/10
まる
18
生物学の知識がなさすぎて、読んでいてもどこからが創作なのかよくわからず、へー、そうなんだーで終わってしまいました。色々な妖怪などの不思議が生物学的に分析されていますが、2、3種類の生き物に絞ってもっとじっくり考察してほしかったな。2015/02/26
へいほー
12
ケンタウロスのくだりは面白かったかな。個人的には虚実の区別がはっきりしすぎてたのがもったいなく感じる。新たな分子構造やら細胞の話をせず、今の科学で説明してくれたらもっと楽しめたし、生物学への興味があらたになったのに……その時に解明できないことは解明できないでもよかったんじゃないかな?とおもってしまった。2016/06/13
えも
12
著者も触れてますが「鼻行類」の影響大。かなり学術的に攻め込んでます。その分、真面目が強くなっていて、ボケがもう少しあるともっといいかな。(発想自体がボケなんですけどね。)…モスラは懐かしい。高校時代にモスラの作り方を考察したことが思い出されます。2014/10/13
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