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内容説明
近年、「ジベタリアン」「人前キス」「車内化粧」など、街中での“迷惑行動”が目につくようになった。私たちの社会で何が起こっているのか。「恥」から見えてきたニッポンの今。
目次
序章 ジベタリアン現象―蔓延しつつある迷惑行動(「日本人の美徳」が崩れ始めた? 見過ごせない事態 ほか)
第1章 恥にまみれた人生―日常生活は常に「警告」されている(「警告」される理由 「恥ずかしい体験例」を集めてみたが… ほか)
第2章 生きていくための必要なもの―人類の歴史的産物(なぜ他者の機嫌をとらなければならないのか サバイバルに有利に働く能力 ほか)
第3章 もし誰かに裸を見られたら―恥の基準と多様性(坊っちゃんと天麩羅 女子大生たちのイメージギャップ ほか)
第4章 玄関を出ればタニンの世界―ジベタリアン的心性の拡大(誰の目が気になるのか ほどほどに関係が重要な相手 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スリーピージーン
9
羞恥心は消えたのではなくて、恥と感じる基準が違ってきたらしい。もちろん人は成長するものだから、恥と感じることも場合も変わってくるとは思うが、やはり狭いセケンで生きている人は何歳になろうと傍若無人にふるまうのかもしれない。私は読了後もやはり電車内でお化粧する人の気持ちは理解できない。電車内で、こってりアイメイクな若い女性が大股を広げてドーナツ食べてるのは見るに堪えない。こんどからは「この人は狭いセケンで生きてる人なんだ」と思うようにしよう。2014/06/02
氷風
9
あぁ・・・めっちゃ思い当たっちゃう言動が急激に思い出される(恥 さすがにビデオはないけど、挙動不審な行動とか日常茶飯事です。なかなか羞恥心そのものについては考えたことがなかったので興味深かったかなぁ。ちなみに中高とお弁当の時はジベタリアンでした・・・理由:大所帯で基本外で食べていたんで、たまの教室とかは全員分のイス確保出来なかったんですよね。2012/02/06
ちいちゃん
7
相手次第で羞恥心の働きは変化する。今の日本は地域社会の影響力が急速に薄れつつあるため公共空間は他人同士が集まる場所になり、結果として傍若無人な振る舞いが増えていったのではないかという主張。2016/05/06
矢田絵美里
6
★★★★☆ 羞恥心はなくなったわけではなく、ある場合において機能しなくなっただけである。友達や先生の前で失態を犯してしまった時、赤面して申し訳なさそうにするだろう。しかし、他人の前ならマナー違反をしても気にしない人が増えている。自分自身にも当てはまることがあったが、羞恥心は感じなかった。それは、著者と他人だからなのと、誰にも知られることがないからだろう。2010/09/30
まっし
4
地域社会が解体し,新たな関係性が構築されたことで以前とは異なる形に変わった羞恥心.筆者の考察は興味深いものでした.何に対して恥ずかしさを覚えるのか,という視点から社会の形が見えてくるなんて今まで考えたこともありませんでした.確かに自分はジベタリアンにもなり得るし,車内飲食をしてしまうこともあります.一方で「世間体」という言葉にいまいち実感を持てずにもいます.本書の内容は自分自身にぴったり当てはまる話だったので,すらすら読むことができました.2013/12/24