内容説明
冬木立に立つ母の姿が繰り返し浮かぶのはなぜだろう。17年ぶりに札幌に戻った男が、病床にある母の過去をたどる。若き日の母を訪ねてきた男は誰だったのか。その男と母の間には、何があったのか。思いもよらぬ事実が、封印されていた事件を浮かび上がらせる。記憶の底に潜む真実に迫る、長編サスペンス。(講談社文庫)
目次
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
第七章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アマニョッキ
57
初めての永井するみさん。風景の描写はとても美しいけれど、内容は今一つかなぁ。登場人物に魅力がないので感情移入が難しく、真相究明までの中弛み感も否めない。だけど一冊読んだだけでは判断しないと決めているのが可憐な乙女のポリシー(違)。次は気になっている「グラニテ」が読みたいな。2018/04/01
のじ
8
やっぱり不倫するんやねえ・・・。北のさむい感じがひしひしと伝わってきてさむかった。起きた出来事はなんとなく読めていたけれど最後の最後に「なんですと・・・?」ってなりましたね。2020/07/10
チェス
6
昔よく読んだ作家さん。その当時と印象がかなり違うなぁ。自分も年をとったということか。2022/04/01
2Tone
4
久しぶりに永井するみさんの本読みました。読み応えもありますが、安定した良さがあります。ミステリー仕立てとなっていますが、アオイと主人公の周治や回りの人の感情を味わいながら読みました。女性の強かさもうまく表れています。2017/02/20
ちかすけ
4
会社が倒産し、郷里に帰ることにした主人公。病床の母は余命僅か。そんななか、幼馴染が、母には会いたい人がいるのではないかと言い出し...。 著者にしては珍しく、男性視点ではあるものの、相変わらず「怖く、したたか」な女性が出てきます。ミステリ色は他の作品と比べると薄いですが、各章の頭に挿入される過去の風景が、読者の想像力を掻き立てます。2010/12/21