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内容説明
最近わが国では、企業の社会的責任、政治家の責任、事故を起こした者の責任など、責任を追及する声がひときわ高まっている。だが、いったい「責任」という概念はいかなる根拠に基づいて建てられているのか。正しい責任のとり方とは。人は責任をどこまで負えるのか。JR脱線事故やイラク人質の「自己責任」論争、戦後世代の「戦争責任」など公共的な問題から、男女、親子における個別の責任問題までを人間論的に考察。被害者─加害者というこじれた感情をどう克服するか。さらに、哲学は責任をどう捉えていたのかについても論考する。丸山真男の「無責任体系」、ヤスパースの「罪」の概念、カントの『道徳形而上学原論』における定義、等々。著者は、法や倫理では割り切れない「責任」の不条理性を自覚しながら、共同社会が共有する「人倫感覚」がどのようなものかを推し量ることが大切であると説く。「求められる責任」と「感じる責任」を真摯に追及した書である。
目次
なぜ「責任」を論じるのか
第1部 責任はだれにあるのか―自由主義社会における「責任」(法的責任以前の責任とは 責任は免除されるのか 集団責任と自己責任 国家と国民の関係における責任)
第2部 「責任」とは何か―その原理を探る(「責任」を論じることの難しさ 哲学は「責任」をどう考えてきたのか 責任の原理)
自由と責任の関係について―偶然性の承認
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
54
小浜さんの著書三冊目。今回は「責任」に関しての1冊。企業の社会的責任、政治家の責任、自己責任、親の責任学校の責任、何かあると責任を追及する声が高まっている昨今。そもそも責任とは?正しい責任の取り方とは?人はどこまで責任を負えるのか?という事を知りたく読んでみました。結論としては単純かもしれないが、その結論に至るまでの作者の論考は中々興味深かった。ただ哲学における「責任」の章はちょっと難しかった。2017/09/16
テツ
17
自由と責任はセットであらねばならないし、人は自らの意思により為した全ての責任を取らなければならない。でもそもそも責任とは何なのかということについての思索と説明。本当に自由意志などというものは存在するのかなど様々な方向に話が飛びながらも、読み進めながら自分の考えも整理することができて楽しかったです。「責任を取るべき」なんていう言葉は軽々しく口にできないよな。責任を取るべき形も、本当に責任を取るべきなのかも人はろくに考えることなく、感情だけを頼りに責任論を語る。2021/01/13
マネコ
5
無責任な無責任への追及。メディアの責任と風評被害。読み終わった後も題名への答えは出せませんが、かなり広く責任論をまとめられているので気になっている方にはおすすめです。2019/09/23
Humbaba
2
自由には責任が付随する.それは多くの人が知っていることである.しかし,では責任とは何かと問われると,正確に答えることは難しい.法律的に考えれば答えは簡単に出るかもしれない.だが,多くの人が納得する答えを見つけ出そうと思ったら,問題はそう簡単ではない・2013/01/23
ナタデココ
1
いやあ、良書。2005年の本だけど、個人の影響する範囲が拡大した今こそ読まれるべき。1部は、特に『適切な耳のふさぎ方』を、愚民どもの脳に刻み込みたいと思った。2部は、哲学が絡んできて一気に深みを増す。責任という概念の曖昧さ・理不尽さは人間という存在の不完全さから来るため、都度折り合いを付けていくしかない。必ずしも自由な意思から責任が生じるのではなく、不都合な事態が起きてから逆行して責任を問うことも多々ある。まとめるとこんな感じかな。図書館。2021/01/26
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