内容説明
「弟と暮らすのが夢だったの」という“姉さん”に拾われて、彼女の弟となった19歳の「僕」。新しい名前は「半沢良」。面接用に書いた「半沢良」の履歴書に、物足りなさを感じた「僕」は、真っ白な紙にもうひとつの「リレキショ」を書き上げる。免許・資格は「どこでもいける切符」。趣味・特技は「護身術」と「アイロンがけ」。無事、深夜のガソリンスタンドで働くことになった「僕」は、ある日、1通のラブレターを受け取る…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろちゃん
95
「大切なことは意思と勇気。それだけでね、大抵のことはうまくいくのよ」 いつもと違う世界がひっそりと動きはじめる。 ★★2016/01/02
おかむー
74
デビュー作からすでに後の作品にも見られる中村航「らしさ」がしっかり出ていてよい感じです。『よくできました』。少しバランスが崩れたら不自然に浮きそうだけど微妙なところでいい感じに紡がれる言葉と、主人公の半沢良、姉の橙子、山崎、ウルシバラといったどこかズレていることが心地よい登場人物、最後まで明かされることはない良の過去、現実味はないのにどこかアリだと感じてしまう空気がステキだと思える。「都会のおとぎ話」ウルシバラとのデートで語られたこの言葉は、この物語だけでなく中村航の作品に通ずるテーマなのかもしれないね。2014/04/18
hirune
68
姉さんに拾われて弟になった良は「半沢良」という人間を創作していく。その前に何があってそれ以前の名前や生活を捨ててしまったのか、その事情は最後まで明かされない。つまり勝手に想像しろということ?良と姉さん、その友人の山崎さん、アルバイト先で手紙をもらい知り合ったウルシバラとの関係がどうなるかも不確定。これは想像し甲斐がありますね。捨てたいほどの過去なら暗い事情がありそうだけど、私はそれを乗り越えてハッピーエンドになるのがいいなぁ。2016/03/22
ひめか*
59
何を伝えたいのか、何が言いたいのかよくわからないまま終わってしまった。ふわふわと流れる独特な空気感が好きな人は好きかもしれないが、好みは分かれそう。ところどころ頭にハテナが浮かんだが、深く考えず読み進めた。結局主人公の本当の名前や過去は謎に包まれたままだった。でも真実や過去なんてどうでもよくて、いま半沢良として生きていることがすべてなのだろうと思う。ウルシバラは一途で初めは可愛くも見えたけど、こんな一人語りの妄想だらけの長文を送られたら、私はちょっと引いてしまうかも…姉さんと山崎さんの関係性は好き。2021/06/14
takaC
58
日本の何処かの不思議な物語。フワフワ。2012/11/23
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