内容説明
月下の散歩者ムササビ,森の怪人ヒグマ,忍びの名人イワナ,幻の獣オオカミ──森のつつましい生き物たちは,人間よりもはるかに「紳士淑女」である.ドイツ文学者にして自然をこよなく愛する旅人でもある著者が,山歩きの旅で,そしてさまざまな書物で出会った生き物たちの生態を,愛情こめて描くエッセイ
目次
目 次
まえがき――無口な友人たちのこと
Ⅰ 早春・夜から朝
ムササビ
アカハラ・クロツグミ
ブッポウソウ
ヒグマ
ウサギ
キジ
Ⅱ 昼下がり・夏
サワガニ
カワガラス
イワナ
アマゴ
オオサンショウウオ
モリアオガエル
Ⅲ 秋の到来
キノコ
アキアカネ
タヌキ
クマゲラ
ブナ
Ⅳ 夜の世界
イノシシ
モズ
モグラ
コウモリ
キツネ
カモシカ
オオカミ
参考文献
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
10
山歩きの間に出会った生きものたちの「物語」 俳句や落語、民話など、さまざまな豆知識などをひきながらの気品ある文章は、素朴で温かいです。紳士同志が、名刺を交換しあい、丁寧に挨拶をかわしているよう。ことに好きなのは「アキアカネ」の章。谷から湧き上がるアキアカネの大群のダイナミックな場面と、肘にとまって静止する一匹のトンボのコントラストが鮮やかだった。 2012/03/29
桃の種
4
森の生物達が面白い視点で評価、解説されている。その方面の学者じゃないからこそ堅苦しくない。語り口も良いです。 2019/12/17
lemon tea
4
山歩きなどめったにする機会のない私にはこの本で出合えた?だけでもちょっと嬉しい。作者の自然の中での生き物・植物との心温まる対話が聞こえてきそうです。実際に山歩きをする時には色々と自然のものへの見る視点が違ってくるかもしれません。2012/04/26
てつじ
2
オオサンショウウオ可愛い2014/07/25
okumixi
2
情報量が多いのにちっともうるさくなく、すんなり読める。著者の山歩き体験が反映されて、けものたち、鳥たちの姿に臨場感にあふれる。2009/11/07