文春文庫<br> 獣たちの庭園

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文春文庫
獣たちの庭園

  • ISBN:9784167705091

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内容説明

現代最高のミステリー作家が初めて歴史サスペンスに挑んだ!
1936年、オリンピック開催に沸き立つベルリン。アメリカ選手団にまぎれてニューヨークの殺し屋が潜入する。米国海軍情報部からナチス・ドイツ高官暗殺の使命を帯びたその男は、現地工作員との接触の際に誤って人を殺してしまい、刑事警察(クリポ)から追われる身となる……。リンカーン・ライムシリーズで人気の著者が初めて挑む歴史サスペンスは、懐旧的雰囲気のなか、タフな主人公(ヒーロー)が活躍するという新機軸。もちろんどんでん返しも盛りだくさんの上級エンタテインメントです。CWAイアン・フレミング・スティール・ダガー受賞作。 2005年週刊文春ミステリーベスト10第5位、このミステリーがすごい!第5位。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オーウェン

55
ディーヴァーのノンシリーズであり、尚且つ歴史もの。 こういうサスペンスをディーヴァーが書くとは珍しいが、バレるかバレないかの緊張感が貫かれている。 ベルリンオリンピックの最中に、ナチス高官の暗殺を命じられたシューマン。 だが現地警察のゲシュタポやクリポに追われる始末であり、無事に脱出できるのかどうか。 お得意のサプライズというよりは、ラストで意外な落としどころ。 こういうサスペンスもありだなと思う。2023/10/04

紅はこべ

46
舞台は1936年のベルリン五輪。殺し屋シューマン、ドイツ再軍備を目論む軍事の天才エルンスト、ドイツ警察のコール警視、主にこの三人の視点で物語は進む。エルンストを狙うシューマン、シューマンを追うコール、追う者と追われる者の息詰まるサスペンスが終盤いきなり意外な展開に。どんでん返しの名手ディーヴァーの面目躍如、伏線の回収も見事。邦題はベルリンのティーアガルテンの訳。そこはある人物にとっての悲劇の場、人間の獣性が示された場、しかし人間には獣性と共に聖性もあることがシューマンやコールによって示される。(続)2010/03/24

Small World

35
時々読みたくなるディーヴァーはやっぱり面白いです。今年になってナチスドイツの話を読むのは3冊目ですが、この作品では舞台がベルリンオリンピックの時期で、不穏な空気漂う時代です。その空気をしっかり描こうとした分、いつものスピード感には欠けるものの、二転三転するストーリーは相変わらずで、後半に行くほど夢中で読みました。シリーズの新作を待つ合間に、ディーヴァーのノンシリーズを読み上げていきたいと思います。2019/08/02

GaGa

30
終盤に近づくにつれ、やはりディーヴァー作品だなあと納得。毎度の如く二転三転。今回はプロの殺し屋が主人公とあって、緊迫した殺しのサスペンスを期待したが、それよりも、仕組まれた巨悪の実情がストーリーの核。ただ少しラストは甘口でまとめられてしまったかなあ~。オットー・ヴェバーがお気に入りキャラ、ただディーヴァーにしては、ヒロイン(?)となるリヒターは少し魅力不足な気がする。2011/03/10

Tetchy

28
この作者の初の歴史小説。舞台は第二次世界大戦前のドイツ。台頭してきたヒトラーの頭脳とも云えるラインハルト・エルンスト暗殺を命じられる殺し屋の物語。しかしこのナチス統治下のドイツの緊張感とはなんと恐ろしいものか。夜中にノックされればゲシュタポが捕まえに来たと怯え、気のいいおばさんは昼は笑顔を向け、陽気に話しかけながら、隣が何を企んでいるのか監視し、ゲシュタポに告げ口をする。まさに題名どおりナチス統治下のドイツは「獣たちの庭園」だ。いつもの作風を期待すると肩透かしを食らうかもしれないがこれもまたディーヴァー。2012/01/04

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