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内容説明
開戦時の1941年、日米の経済格差は、GNP比にして約13倍、石油生産量は721倍に及んでいた。その大国に対して、総力戦を挑んだ大日本帝国の指導者たち。彼らはあの戦争にいかなる幻影を見たのか。「富国強兵」をスローガンとしていたものの、国の実力からしてそのこと自体が自己矛盾でしかなかった。自給自足な物的資源、効率的な経済制度などの前提条件を決定的に欠いていた日本は、「八紘一宇」という蜃気楼の旗印の下で、「貧国弱兵」への道を必然的に歩むことになったのである。泥沼化する中国大陸、自壊する陸海軍、「統率の外道(げどう)」としての特攻……。すべては国家経営の原則をわきまえない無謀な賭けだった。当時、海軍の一航空隊員であったエコノミストが、戦時中の日米経済格差を生産力、輸送力、開発力などから徹底的に比較検証。矛盾に満ちた狂気の歴史を再照射する。日本はなぜ敗れたのか。戦後60年の節目に、改めて問い直す渾身の大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
20
係数を出した分析は面白いです。国力の隔たりがありすぎたのだなと感じさせられます。2025/06/25
kochi
16
帝国主義的闘争であった先の大戦の、軍備費、動員数、艦艇数、それらの連合国、枢軸国の比較などの数字をひたすら挙げて、日本の戦時経済の面から戦争の実態を描く。ポイントは中国からの撤退、資源の輸送問題、航空戦略、身の丈に合わない軍拡、日米の国力の差。明らかにされるのは日本の戦争指導者の無計画さであり、一旦開戦となると、全体主義の日本より、米国のほうが国内を統一し、武器生産を立ち上げたということ。ドイツも同様で、日本だけの特殊性ではないとは思うが。数字が並ぶので、ついついグラフを描きたくなるf^_^;2016/12/24
珈琲好き
6
逃げるんだぁ...勝てるわけがないよ...2015/05/20
おらひらお
6
2005年初版。徹底して合理的に太平洋戦争期における政治家や軍のあり方や思考法を検証し、批判したものです。ほかの本にあるような情に流されることが一切なく、結論的には弱いものは強いものに戦わずして従うべきという見解です。ただ、敗戦を経ることがなかったら、今の日本はどんな感じになっていたのでしょうか?やはり、いまの借金問題にしてもそうですが、大きな打撃を受けて清算的状況にならないと日本が大きな改革ができないのではと思わせる内容でした。あと、本書では天皇に対する見解がほとんどないです。2013/03/26
さきん
4
太平洋戦争を経営から見た良書。最初に戦力があっても維持できる生産力がないと戦争の優位を維持できない。また、輸送能力も足りず、戦線を拡大しすぎたことがわかる。2015/07/09
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