内容説明
右肩上がりの発展を続ける戦後日本がたどり着いた「坂の上の雲」。それが1985年という年だった。プラザ合意、米ソ首脳会談、NTTの誕生……この年を境に日本と世界は確実に姿を変えていく。阪神優勝、日航機墜落事故を始め、忘れがたい出来事もたくさんあった。「過去」と言い切るには新しく、「現在」と言うには時間が経ちすぎた時代の記憶は、妙に苦くて懐かしい。愛惜の念と共に振り返る、「あの頃」の姿。
目次
第1章 政治―中曽根政治とプラザ合意
第2章 経済―いまだ眩しき「午後2時の太陽」
第3章 世界―レーガンとゴルバチョフの出会い
第4章 技術―つくば博とニューメディア
第5章 消費―「おいしい生活」が始まった
第6章 社会―『金妻』と『ひょうきん族』の時代
第7章 事件―3つのサプライズ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hatayan
33
つくば万博、プラザ合意、日航機事故、阪神優勝。 1985年は、日本経済はまだまだ成長すると未来を夢見ることができた年であり、30年以上経った今も語り継がれる事故やできごとが起きた年でもありました。 本書で唸ったのは、同年に大ヒットした小林明子「恋におちて」の歌詞「ダイヤル回して 手を止めた」の解釈。電話が一家に一台しかなかった時代、一発で恋人が電話に出てくれればいいのにと願いながら電話のダイヤルを回そうとして躊躇う感情。携帯電話がなかったときの不倫は、今よりもずっとリスクの高いものだったのです。2019/02/21
としP
17
自分の生まれた年が、どんな年だったのか知りたくて読んでみた。やっぱり景気が良かったようだ。中流の一般的なイメージでは、平均年収700万円、土地付き一戸建てって、今では考えられん。2019/04/22
makimakimasa
16
40年前について書かれた20年前の本を、39回目の誕生日の週に読了。著者は当時社会人2年目、現代史の中の位置付け云々より、ただ歴史を横に読む上で面白い年だからという理由で選別したという。80年代アメリカを代表する人物に、ヤッピー文化やバブル経済の象徴としてトランプ登場、その後の人生では浮き沈みつきまとうとあるが、更にその後まさか大統領に2回なるとは。フジ「ひょうきん族」が人気を誇り、TBSの裏番組「全員集合」が最終回を迎え、「紅白」の視聴率が初めて7割を切った。そして著者は阪神ファンである事が最後に判明。2025/06/28
Mik.Vicky
15
1985年といえば私は中学生だった。まだあの頃の日本は古き良き時代でおおらかさも残っていた。また日本には明るい未来が待っているような雰囲気はあった。人並みに頑張れば、裕福な中流の生活が出来るような雰囲気が。しかしあの頃でも少子高齢化がしっかり予測できていたとのこと。あの時に対策を行っていれば、もっとよい結果になっていたのではと悔やまれる。2017/02/03
itchie
10
2005年に書かれた本。もう20年も経っていることに驚愕。最初に「日本の国運40年周期説」が書かれている。1946年から1985年は上り坂、よって1986年から2025年までは下り坂。おおむねその通りだろう。ここからの40年が上向く気はしないが……。統計データで意表を突かれたのは、個人金融資産。85年は495兆円。2004年は1407兆円。バブルが崩壊したのに家計の資産は増えている。85年時点では、ストックの格差は小さく、だから中流意識を持てた。貯蓄超過、消費不足という課題はいまだに解消されていない。2025/11/17




