内容説明
「西行法師の歌枕を訪ねたい」と告げ、弟子の曾良とみちのくへと旅立った松尾芭蕉。その旅には二人の同行者がいた!? 徳川光圀の家臣介三郎と、将軍綱吉の側用人柳沢吉保の密偵すまだ。光圀と吉保は共に芭蕉が相手方の密命を受けていると勘ぐっていた。そして、芭蕉にも、歌枕を訪ねる以外にある目的があった…。「おくのほそ道」をベースに、斬新な発想で描く時代長編。
感想・レビュー
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yukioninaite
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テレビドラマを意識したのかなぁ、という小説。あまり山場というものもないから、そうでもないか? 原典を丹念にプロットしてくださっているので、そこはとても良かったです。「文月は六日も常の夜に似ず」の脇をつけた左栗の句が「露をのせたる桐の一葉」。2016/07/10
HMax
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おくのほそ道、「月日は百代の過客にして...」高校の古文の時間に覚えた序文以外は全く知らずにこんな歳になってしまいましたが、この本で凡その内容や、俳句が書かれた情景もよく分かりました。 次は「おくのほそ道」に挑戦しようかな。「湯殿山銭踏む道の泪かな」これが気に入りました。2015/09/12