集英社文庫<br> ハミザベス

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集英社文庫
ハミザベス

  • 著者名:栗田有起
  • 価格 ¥495(本体¥450)
  • 集英社(2005/07発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087478402
  • NDC分類:913.6

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内容説明

【第26回すばる文学賞受賞作】はたちの誕生日を前に、死んだと思っていた父が本当に死んだらしい。マンションを一部屋とハムスターを遺産として受け取った、まちる。母と暮らした家を出て、地上33階で静かに重ねる日常。元恋人の幼なじみや、父の同居人だった女性との不思議な関係と友情……。不器用なやさしさをユーモアでくるみ、流れる会話でつむぐ、新しい小説世界。注目作家のデビュー作ほか『豆姉妹』収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

366
栗田有起は『お縫子テルミー』、『オテル モル』に続いて3冊目。その都度、彼女の作家的可能性に賭けて手に取るのだが、いつも今一歩及ばないという思いに終わる。彼女が再三の候補に挙がりながらも、とうとう芥川賞を逃したのも故なきことではないようだ。さて、本書だが、まずタイトルは意味不明であるがゆえに魅力的だ。構想も面白いと思う。ただ、併録の「豆姉妹」ともども、その荒唐無稽さが拡がりをもって展開することなく、日常的な世界に収束してしまうのである。膨らんだ風船がしぼむように。これは彼女の他の作品にもあてはまるのだが。2019/10/02

coco夏ko10角

35
第26回すばる文学賞受賞作品。『蟋蟀』がよかったので栗田さんの他の本も読んでみたくて手にしてみたけど、これがデビュー作なのか。文章のテンポや読み心地がやっぱりなんだか好きだ。起こったことがそこにある。主人公の状況と、ハムスターの性別がわからないことと…。あとあかつきさんが印象的。2016/07/27

ぜんこう

24
再読。解説のいしいしんじさんが書いているように、作者は「わからないもの」は「わからない」ままに書く、という不思議な読後感。最後まで読んでも、わからないものはわからないまま話は終わってしまうけど、こういうのもありかな、って。表題作は、死んだと聞かされていた父が、本当に死んで遺産のマンションとハムスターがやってくる。そのハムスターにつけた名前がハミダベス。 それともう1篇「豆姉妹」。豆のようによく似た姉妹のお話、と思いきや、途中から、姉がSMクラブで働きだし、高校生の妹はアフロヘアに。表題作よりこっちが好き。2017/04/14

大陸

21
「お縫い子テルミー」に引き続いて読了。2編からなる短編集。表題作よりも、「豆姉妹」の方が面白かった。吹き出して笑ってしまう場面が何か所もあり。看護婦を辞めてSMクラブで働きだしたり、突然アフロにしたり、びっくりさせられるが、「お縫い子テルミー」でも感じたが、自立して生きるとは大変だ。2021/04/21

エドワード

21
「ハミザベス」と「豆姉妹」の2編。2時間程で読めた。とうに死んだと聞かされていた父が最近死んだ。母子家庭の母娘に残された遺産は現金とマンションとハムスター。その名が「ハミザベス」。「豆姉妹」は7歳違いで瓜二つの姉妹の物語。姉は看護師をやめてSMの女王様に転職する。あっけらかんとした姉の目的が妹の大学の学費の為というのが泣かせる。高校生の妹が思いつきでアフロヘアにしたことで持ち上がる騒動が可笑しい。つましく暮らす女性達のとぼけた会話が温かくて味がある。2012/08/15

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