内容説明
地下密室と宇宙密室、驚天動地の森ミステリィ!土井超音波研究所の地下に隠された謎の施設。絶対に出入り不可能な地下密室で奇妙な状態の死体が発見された。一方、数学者・小田原の示唆により紅子は周防教授に会う。彼は、地球に帰還した有人衛星の乗組員全員が殺されていたと語った。空前の地下密室と前代未聞の宇宙密室の秘密を暴くVシリーズ第9作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
171
今回も建物のからみです。やはり工学部の先生であったこともありこのような仕掛けが大好きなようです。読んでいて結構大きな仕掛けは大好きなのですが、私のような年寄りにはどうもこの登場人物たちの饒舌さが少し余分に感じました。前のシリーズのほうがしゃべりは少なかったような感じはします。最後はすっきりとさせてくれますが。この本に書かれている「レオロジー」という本を読みたくなりました。2016/07/12
nobby
155
Vシリーズ⑨まず目次を捲り建物平面図を目にして、あれ!何この既視感!?なるほど、実質⑦続編なのか!確かに含み残した終わりだったなと…そして趣向変えた⑧を挟んだのにも納得。それにしても、描かれる密室は絶対に出入り不可能な地下室に宇宙船内と留まることを知らない!ただ、それを陳腐に終わらせず納得させるのがスゴい!いつもながら難解な理論的解明だが、今回はほぼ置いてきぼりで早々と諦めモード(笑)それより何より林さんをめぐる紅子さんと七夏の闘いが生々しくて怖い…さて次がシリーズ最終巻、物語はどんな完結を見せるのかな?2020/08/02
KAKAPO
94
診察を待つ間に読もうと携帯した『朽ちる散る落ちる』。待合室で頁を開いた時、土井超音波研究所の見取り図が見えたので、誤って『六人の超音波科学者』を持って来てしまったかと驚いた^^; 研究所の地下に封印された秘密、周防教授の独り言に隠された真相は何か? 仕掛けが明かされるトリックと、明かされぬまま放置される謎、森先生の作品に立ち向かう時「誰が、何のために、どのようにして」という普通のミステリーに挑む時の視点は、用を成さない。読者が答えの記述されていない謎を発見した時、自らのミステリィが開幕したことを知るのだ。2016/06/09
yu
82
超音波の土井研究所の続き。研究室の地下を発掘(?)したところ、新たな遺体が発見される。遺体は多数骨折しており、部屋は内側からロックされていた。 他殺か、自殺か。どちらにしても、数多くの謎が残る。 今回はCIAやらも絡んできて、何やらスケールが大きくなってきた。纐纈って、読めないし!林さん・祖父江さんを騙した後半がよかった。苑子さん・小田原先生、よかったね~といった感じ。練ちゃん、色々あるんだね。。。2014/11/17
@
80
Ⅴシリーズ第9作目。やっとここまで来ました。今回はなかなか壮大な事件でしたね。前々回にも登場した人たちがまさかそんな関係性があったとはね…と驚いたり。練ちゃんの過去がちらっと垣間見れたりなかなか読み応えのある一冊でした。そして読み進めるにつれて、どうしても祖父江さんに対して好感が持てなくなってしまいます。祖父江さんの態度は女として当たり前なんだけど、紅子さんの洗礼された人格と比べてしまうと…ね。ともあれ、最後の一冊で今までの謎やひっかかっている部分が明るみに出ることを期待して最終巻突入したいです。2013/03/14