内容説明
阪神大震災が起きたその朝、700キロ離れたN県警で幹部の一人、警務課長の不破義仁が失踪した。人望も厚い筆頭課長がなぜ? 組織を大きく揺るがしかねない事態に、本部長以下幹部らはそれぞれに手がかりとなりそうな情報を調べるが、保身や対抗意識から駆け引きや情報戦の応酬に陥ってしまう。不破の安否はおろか、蒸発か事件かも判らぬまま時間が過ぎ――。組織と個人の本質を鋭くえぐる本格警察サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
218
2006年このミス国内第3位。 阪神大震災頃を舞台にした骨太の警察小説である。不破課長失踪に伴うN県警幹部たちの 思惑・人間臭さが 健在である。 捜査の先に見えてきた 隠された過去は 何だったのか? 人間の業を描き切った、著者らしい作品だった。 2018/09/28
おしゃべりメガネ
162
警察小説の帝王(勝手に思ってます)横山秀夫さん作品です。コレも勝手な思いですが、昨今の『64』の原点がこの作品にあるような気がしています。とにかく限られた登場人物と時間、そして空間(部屋)の中で進められる物語は、とてつもない緊張感に支配され、読む者に息つく暇も与えないくらいヒリヒリしています。登場人物、それぞれの思惑、心理が交差し心理戦のスゴさをかきあげています。己の私欲のぶつかりあいは臨場感タップリで、こういう世界観は横山さんにしか書き上げれないと思います。重量感たっぷり&抜群の警察小説でした。2009/03/15
こうじ
106
⭐️⭐️⭐️⭐️4/5 面白かった^_^何もかもかもがグチャグチャ!警察官の妻たちもグチャグチャ!震度いくつかわからないくらい。自分の私利私欲に溺れてはいけないね。みじかの事が見えなくなるかもね^_^2015/08/13
紅はこべ
62
失踪した同僚の安否を気遣うより、大震災の被害を案ずるより、自らの保身と主導権争いに汲々とする県警幹部達。唯一まともに見えた震災担当の警備部長も、一番身近な人間の心の闇に気づいていなかった。警察小説の枠組を借りた心理小説。2009/11/12
オーウェン
53
その日N県警は朝から激震に揺れる。 関西で起きた大地震とともに、警務課長の不破が失踪する事件が発生。 各部の部長が己の自己主張をしようとするパワーゲームが展開される。 ひとたび事件に進展があれば、各人に隠されていた事案が明らかに。 心の思惑もしっかりと見せており、それに加えて奥さんたちの身勝手な発言や警察官の妻であることの主張。 多くの犠牲者を出した地震の中で、N県警の震源の源は誰だったのかが最後に明かされるが、これもまた主張であるのが皮肉だ。2023/09/09
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