内容説明
注意・挨拶・お願い・告知などのテープ放送や機械音を耳にすると、もう著者は黙っていられない。昼夜を問わず日本全国で繰り広げられる善意の大合唱に、著者の“哲学魂”が炸裂する。無自覚なままに責任を回避し、結局は思考停止の状態に陥っているということが、著者の怒りを激しく誘うのである。肝心のところは変わっていない日本人の感性の質を執拗に抉る、異色の日本論。
目次
第1章 音漬け社会(「文化騒音」とは何か 「個人語」と「世間語」 ほか)
第2章 拡大する戦場(音は人を狂気に近づける 音は皮膚のウチに侵入する ほか)
第3章 定型的な言葉の氾濫(標語ノイローゼ 「エレベーターの扉をこじ開けないでください!」 ほか)
第4章 日本人のからだ(からだとしての文化空間 文化空間における図と地 ほか)
第5章 共生は可能か(解決は難しい 思想はいつも現実の前に屈服する ほか)



