つゆのひぬま

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つゆのひぬま

  • 著者名:山本周五郎
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 新潮社(2013/05発売)
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  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101134192

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内容説明

深川の小さな娼家に働く女“おぶん”の、欺かれることを恐れぬ一途なまごころに、年上の“おひろ”の虐げられてきたがゆえの不信の心が打負かされる姿を感動的に描いた人間賛歌「つゆのひぬま」。そのほか、江戸時代を舞台にした作品7篇に、平安朝に取材し現代への痛烈な批判をこめた「大納言狐」、現代ものの傑作「陽気な客」を加え、山本周五郎のさまざまな魅力を1冊に収めた短篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

110
 いいですねぇ、周五郎は。何とも贅沢な短篇集です。どれもいいですが、紙面の関係でお薦めの二篇を紹介します。深川を舞台にした遊女たちの日常を描いた表題作。〈客に惚れることは法度〉の掟を破って客に恋を…。大洪水の夜に女同士の友情が、二人の恋に花を咲かせます。私のお気に入りは【水たたき】です。愛妻に「おまえ浮気してもいいぜ!ただし、俺の気づかないようにな…」の迂闊な一言がとんだ不運を巻き起こす話。その後の男の心の動揺、女の健気な行動や息遣いの描写にぐいぐい引き込まれます。感動の結末は、ご自身でご確認願いたい。 2018/04/26

nakanaka

77
七編からなる短編集。人一倍おしゃべりな宗兵衛が大活躍する「おしゃべり物語」が一番面白かったです。主人公の宗兵衛は、普段は人を苛立たせるほどに口達者だが実は文武両道で思慮深いという魅力的な人物。また、あまりの饒舌と悪童ぶりから養子先をたらい回しにされるといったことなどがあったものの最終的には藩主の側近まで上り詰めるという痛快な展開に山本周五郎のストーリーテラーぶりが遺憾なく発揮されていると感じました。表題の「つゆのひぬま」は娼家に働く女たちを描いた切ない話。山本周五郎の様々な魅力が詰まった短編集でした。2022/03/23

優希

46
平安時代から昭和までと幅広い時代を描いている短編集でした。洒落ているもの、悲恋、狐の化かしなど内容も様々で面白かったです。様々な人間模様があり、それがどのようなことでも作者の愛する眼差しを感じることができました。人情味を感じずにはいられません。結末が読めるにも関わらず、結末そのものは描かれていないような雰囲気に惹かれます。ほんのり心温まる気持ちで読み終えられて、心にじんわりきました。2015/01/07

tengen

34
九つの短編集☆清廉潔白を旨とする武家の宗方伝三郎。故郷や江戸、辿り着いた田舎村でも人間のいじましさに生きる希望を失う☆ガキ大将で饒舌な小三郎は里見家に養子に出される。里見家からも元服と共に追い出された小三郎改め宗兵衛は城中でも饒舌を発揮し見る間にのし上がる☆兄の病死で国元に戻された平松丈之助は兄嫁をもらい家を継ぐことを迫られるのだが。あるはずの遺書が無い。そして兄は自殺であった事を知る☆おしずは兄・栄二の金せびりに加え、姉の自分に気兼ねして嫁にいかないのであろう妹おたかのために奔走する2025/08/20

のびすけ

26
9編の短編集。おたふく三部作の2作目「妹の縁談」がお目当て。書かれたのはこちらが後だけど、物語の時系列的には先になる。おしずとおたかの姉妹は自分たちをおたふくと卑下してるけど、その実は明るく愛敬があって結構な器量良し。天然でドジな姉おしずが、妹おたかの幸せのために奔走する。ユーモアと人情に溢れた心温まる一編。その他、「武家草鞋」で老人が伝三郎に自分を見つめ直すことを説いた言葉、「つゆのひぬま」で男女の関係を"露の干ぬまの朝顔"に例えたおひろの言葉が心に響いた。他も良作揃い。2023/08/19

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