内容説明
世界史上の英雄たちの虚飾に満ちた正体を見破り、たちまち滑稽なピエロにしてしまう寺山修司の眼力。コロンブス、エジソン、聖徳太子、ゲーテ、毛沢東、キリスト、紫式部……。卑近な話題を調味料に、強烈な風刺と卓抜なユーモアでどんな大人物も見事に料理してみせる、ユニークな英雄伝。
目次
コロンブス
ベートーベン
エジソン
イソップ
ガロ
シェークスピア
二宮尊徳
ゲーテ
ダンテ
スタンダール
毛沢東
カミュ
ニーチェ
聖徳太子
カフカ
マルクス
紫式部
セルバンテス
トロッキー
孟子
キリスト
プラトン
リルケ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カピバラ
30
寺山修司にしては、毒は少なめかな?印象に残った話は、スタンダール「猫と女は呼ぶと逃げ、呼ばない時にやって来る」の部分かな。紫式部で、源氏物語の女性を現代に当てはめている話も面白かった。いろんな偉人がざっくり毒舌に書かれているが、特にコロンブスについては、ハンパなくメタメタにされてて笑ってしまった。2015/07/24
北風
22
世界の偉人(?)を皮肉るという趣旨の本です。紫式部のくだりは、とても面白かった。寺山修司という作家は好きなのですが、どこか嫌いなところがあり、うまく言えずにモヤモヤとしてましたが、この本でわかった気がします。人にやたらめったら自由をすすめる人間は、すすめる自分が頑固であることに気づいてないものかもしれませんね。 オススメ度:★★★☆☆2014/10/03
清作
15
【図書館】歴史上の英雄について、寺山修司が独自の切り口で語っている。その中から知っている人物について拾い読みした。中でも二宮尊徳の話が面白い。私は尊徳を尊敬しているのだが、言われてみれば英雄伝として語られる彼には“遊び”や“色気”“無駄”が無く、美談で埋め尽くされている気がする。実際の尊徳にはそういった側面≒人間味があったのだろうか。2014/05/12
moku*
13
ひねくれてるなー。寺山修司らしい作品。こういう視点でみるのもおもしろい。2015/03/07
ちさ
12
独自の観察眼により語られた、様々な英雄伝。良い意味でとてもひねくれていて、寺山さんの思想や信念がよく分かる。二宮尊徳との架空対談が面白かった。2014/07/03