内容説明
現実も真実も崩れ去る最後で最恐の大傑作。200万円で、ゲームブックの原作を謎の企業「イプシロン・プロジェクト」に売却した上杉彰彦。その原作をもとにしたヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることに。美少女・梨紗と、ゲーマーとして仮想現実の世界に入り込む。岡嶋二人の最終作かつ超名作。そのIT環境の先見性だけでも、刊行年1989年という事実に驚愕するはず。映画『トータル・リコール』の前に描かれた、恐るべきヴァーチャルワールド!(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
207
読み終えるまであっという間だった。今現在、巷で言うところのバーチャルリアリティ体感機器が幼児の玩具にしか思えなくなる程の、超仮想現実に人を取り込んでしまうクライン2。今、自分がいる世界が現実かそうでないのか、もはや判らなくなった彼は浴槽で自らの手首を切るが、彼がどちらの世界にいるのか結果的に彼は知る事は出来ない。いやそんな事よりも今、この本を読み終えてこのレビューを書いているところの俺自身も、もしかしたら誰かの仮想現実内のデータのひとつに過ぎないのかも知れない。真面目に生きてきたけどそろそろ。いいか。2021/10/13
nobby
194
これはもう間違いのない傑作!何より1989年にこのバーチャル発想って!?意味深な契約書から始まるが、中盤までは“クライン2”でのゲーム体感の様子に引き込まれる。途中予想出来る危惧も含め、主人公が疑っていく様がとにかくスムーズ。途中、ピアス・名刺の所在の伏線もすっかり騙されてしまった。ラストに向けては、現実と虚構が交錯しあい、結局“内”なのか“外”なのか、まさにクラインの壺。現実的にも何かあり得そうでちょっと震えた読後感。2015/05/24
takaC
159
なんとなく意味もなく岡嶋二人回顧読書(懐古じゃなくて回顧だよ)しようかななんて思い立って手近なところにあったこの作品からさっそく開始。次は『焦茶色のパステル』にしたいけどどこにあるのか見つけ出せないから『99%の誘拐』かな。でも、そしたら単純な遡りになっちゃうな。2015/07/25
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
153
岡嶋作品お初となる作品。今でこそやっと耳慣れてきたバーチャルリアリティー。その世界観を今からなんと30年以上も前に、しかも遥か想像の上を行く設定で描ききった作者のセンスにただただ驚かされる。今SFの世界のことと思っているようなことも、科学の進歩で将来は現実のものになるのか。だとすると、人の意識でコントロールできる範囲で止めておかないと、人類の進歩を超えた未来の世の中は取り返しのつかない終焉を迎えることになる、そんな警鐘を鳴らしているような、うすら寒い恐怖に包まれつつ書を閉じた。2021/04/16
とん大西
111
怖かったぁ…。仮想現実(ヴァーチャルリアリティ)-本作が発表された平成元年当時は馴染みがなかった概念、言葉やったやろなぁと容易に想像できます。(その頃学生やったけどVRのこと全然知りませんでした( ̄O ̄;)。当たり前となった今だからこそ、膨らむ恐怖感。どこまでが現実でどこからが仮想現実なのか。そもそも全てが仮想現実の世界なのか。そしてみつめる仮想現実の真贋。表と裏の交錯が吐き出す混迷と混沌。もはや自分自身の存在にさえ疑念を抱かずにはいられない。いやぁ、怖い。確かに傑作です。2018/05/12
-
- 電子書籍
- 私立味狩り学園(3) まんがフリーク
-
- 電子書籍
- ハワイスタイル No.56




