内容説明
女性の少年愛嗜好とは、一般に女の人のホモ好きとして知られ、ここ30年余り、様々な文化・風俗現象を引き起こしてきた。作家森茉莉の少年愛小説、「花の24年組」と呼ばれた少女マンガの諸作品、ヤオイ現象を演出した同人誌や最近のボーイズラブ文化など等。その他、海外の事例も取り上げ、この現象の本質をトータルに解き明かす。
本書は、この現象の意味を女性の現実からの逃避とする既存の見方を排し、当事者の自己確立へのステップと捉えて、現象の全体像と心理学上の解明、さらに日本における歴史的背景を論じた評論である。流行のやおい論を超えた視点で書かれているが、現在隆盛のボーイズラブ文化を考える上でも基底となる知識と知見が示されている。
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目次
第1章 沿革、および用語と定義
第2章 多様性を解きほぐす
第3章 普遍から考察する
第4章 成熟と挫折
第5章 時代とその課題
終章 表現と批評の現在
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たねひ
6
森茉莉や24年組の作品を中心に、今でいう腐女子の心理をユング派の理論に従って分析している。著者自身も24年組のファンであり、表面的な批判や決めつけに止まらず「母」からの自立につながるファンタジーとして考察していて読み応えがあった。ただ、同人誌やBL小説・漫画など「低俗なポルノ」を24年組的世界観が社会の干渉によって劣化したものと捉えている所や、SM趣味を「荒廃した精神の現れ」と切り捨てている所は少し違和感があった。作品の目指している所が違うので、単純に比べられるものではないと思う。2018/07/24
yn_redqueen
2
いわゆる「女性向けもの」を語る人がしばしば酔いしれる邪悪なファンタジーや、安っぽいトランスジェンダー論に酔っていない作者の良心的な姿勢が気に入った。作者が女性であることは明らかだが、男性でも読むに耐える内容。特に女性向けコンテンツに対し「不用意でバイアスのかかった批判が悪影響を及ぼす」こと、そしてコンテンツ自体が「批判すら内包する、広大な市場である」ことまで指摘しているのが秀逸。ただ年代は自分(二十代中盤)より少し昔である上に、女の子の甘いファンタジー完全無視で話が進むので落ち着いた大人向けである2011/06/19
miharasi_mamiya
1
母親と女性の問題をユング心理学(でいいのかな)を通して分析したもの。興味深い内容でした。24年組の少女マンガと森茉莉についてが印象に残った。2014/12/23
まゆ
1
卒論の研究のために。父ではなく母の問題という捉え方が珍しく興味深い。2009/12/19
米村こなん
0
研究会(19回)講読本。やおいを視座にした文芸批評。2016/03/09
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