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内容説明
企業の不祥事があとを絶たない。しかも、同様の過ちがくり返されているところに、問題の深刻さがある。人間が介在する以上、事故や犯罪は必然的に生じるが、それを想定して対策を講じているかどうかによって、結果的にその企業の信用は全く異なったものになる。本書は、コンプライアンスの背景と基礎を紹介し、コーポレート・ガバナンスなどともあわせて、健全な企業運営とはどう行えばよいのかを示す。
目次
第1章 なぜ「コンプライアンス」と呼ぶのか
第2章 企業倫理とは何なのか
第3章 どう実践するのか
第4章 隣接概念との関係
第5章 背景にある法文化
第6章 誤用と悪用
第7章 どこまでやらなければならないか
第8章 日本企業の二一世紀的挑戦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mura_海竜
8
再読。コンプライアンスとは決して「法令遵守」だけではない。大きくかかわるのは「企業倫理」。リスクマネジメント、コーポレートガバナンス、CSRとの相違点も。今だとBCP(事業継続性)や生物多様性・・・も入ってくるんだろうなあ。それも強制でなく自主的に、できるところから。2013/01/06
KAZOO
5
アメリカなどと異なり日本は単一民族国家であることから法令というものがそんなに細かいところまで規定していません。そのためにコンプライアンスということは単なる「法令遵守」ということではなく、倫理的なことまでも含んでいるということまで説明してくれて非常にわかりやすいと感じました。2013/06/07
かめぱぱ
3
図書館借り。ちょい事例が古いけど、大枠としては充分。モヤモヤ取れた。。2017/05/24
壱萬弐仟縁
2
法令遵守。当たり前のことができない企業の悪しき金儲け第一主義による違反行為が後を絶たない。今年は、教員などの公務員の法令順守もあちこちでシビアに問われている。いじめ問題もまた、法令が絡んでくるからである。他にも、説明責任や透明性も同時に取沙汰されて久しくなる。企業倫理、経営倫理もまた、csRの時代の先駆となっていたことばであった。CSRを基本としたSRI(社会的責任投資)も正しい行いをする企業が投資家から支持される時代を切り拓くだろう。ルールを守る、という当たり前のことすら守られない社会の反映からきたか。2012/07/29
boya
2
企業コンプライアンスの基礎読本。いうまでもなく今年は東電の虚飾が最悪の形で露呈した。その他にも、やらせメール問題、生肉食中毒など、コンプライアンス問題は例にこと欠かない。こうした企業は、恐らくこの本にあるようなごく基本的な知識すら学ぶ気がなかったのではないだろうか。ただ法を遵守し検査をパスすればコンプライアンスを達成できるわけではない。ここには書かれていないが、ネット上の炎上事件や失言して辞任する閣僚などを目にして思うのは、もはや個人が最低限のリスク・マネジメントを身につけるのが当然の時代だということだ。2011/09/11