講談社文庫<br> 花芯

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講談社文庫
花芯

  • 著者名:瀬戸内寂聴【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2014/12発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062750080

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内容説明

「きみという女は、からだじゅうのホックが外れている感じだ」。親の決めた許婚(いいなずけ)と結婚した園子は、ある日突然、恋を知った。相手は、夫の上司。そして……。平凡な若妻が男性遍歴を重ね完璧な娼婦になっていく姿を描き、発表当初「子宮作家」のレッテルを貼られ文壇的沈黙を余儀なくされた表題作他、瀬戸内晴美時代の幻の傑作5編を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

138
村川絵梨主演の映画観賞後に、読了。 映画とは違い、しっとりとした文体が 女性の不思議さを 丁寧に描いていく。 映画では 夫雨宮との関係と、その上司越智への恋が中心だったが、原作の園子は もっと奔放で 艶やかな日々を送る。 当時 「子宮作家」と呼ばれたらしいが、 今読んでも 充分艶かしい…そんな作品だった。2020/12/12

あすなろ

101
君という女は、体中のホックが外れている感じだな。そういう女性を描いた作品集。曰く、説明出来ない恋を描く。夜な夜な寝しな電子書籍にて読了。表題作 花芯が強く印象に残る。また、瀬戸内晴美の頃の文章なのかな?強く印象に残る文章であった。女性の性とその心を隠微にかつ悲哀に描くその表現が濃厚であった。2016/12/04

優希

80
「子宮作家」と言われ、文壇から干されたという問題作ですが、確かに書かれた当時にしてみればセンセーショナルな作品だったのでしょう。しかし、園子はどんなに身体を重ねても精神は無垢極まりなく思えました。美しい文章と流れるような言葉、奥底に秘めた想いにグッときます。単純な恋愛を描いただけではなく、園子の自分理解の歩みも描いているのでしょうね。強烈な自意識、気味が悪いほどに見える「女」の色。この色は他の作品にも見られ、官能の匂いを色めき立たせています。怖い作品ではありますが、美しい。女の性を感じさせますね。2015/03/05

ケンイチミズバ

76
恋愛するために生まれて来た女を正直に生き、馬鹿馬鹿しくも面白い、心と体に素直な園子の豊かな心情表現に感動した。自分をさらけだす勇気のない私のような男の側からみてとても感心した。相容れない母親と妹による幽閉に近い状況下の描写は滑稽で笑えたし、言葉でしか話し合えない夫と言葉でなく気持ちが通じる越智との男の違いもわかる。何でこの男を愛せないのだろうと思う気持ちもわかる。出征前の英語教師に彼は必ず戦死するとの確信から夜這いをかけた行動は健気にすら思いつつ笑ってしまった。確かに同性からは反感を買いやすいでしょうね。2016/08/29

39
面白かったです。こんなに、「女性」というより「女」を色濃く感じさせられる作品が昔に書かれたとは。それが決して嫌ではなく、上品でした。女の内面の描写をここまで書き切られて同性でも怖いほどです。今まで隠してきた諸々を突き付けられた感覚でした。圧倒されます。すごく好きでした。寂聴さんすごいな…もっと作品を読んでみたくなりました。2016/09/06

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