内容説明
クロエは暗闇の中に抜け出し、月桂樹の生け垣に向かって走った。家では兄と姉の合同婚約披露パーティがにぎやかに続いている。思わず鳴咽がもれ、涙があとからあとからわいてきた。「どうしました?」突然、生け垣の向こうで男性の声がした。彼はあれこれたずね、クロエの涙の理由を容赦なく言い当てた―今日婚約した男性をひそかに愛しているのですね、と。しばらくのち、化粧を直して再びパーティーに現れたクロエに、母が嬉々として一人の男性を紹介した。著名な法廷弁護士らしい。「ピアズ・オードリーです」彼の声を聞いて、クロエの心は沈んだ。この声、間違いなくさっきの人だ。ピアズは彼女をダンスに誘った。「嘆きの女神さん、君は実に僕の興味を引く…」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
16
ヒーローがさほど傲慢でもなく、ヒロインの警戒心を解くやり方もソフトで理性的で優しさもあって好きなタイプ。賑やかな家族がいて信頼しあっているのも◯。ヒロインの想い人が名前で書かれず意味ありげに”あの人”と表記されているので、これはあれか？きっとそうだ！と推理(いやむしろ妄想？)したのも楽しかった。誘拐事件にはハラハラどきどき。頭もよく美人でスタイルのいい元モデルのヒロインも好感が持てて、家族もそれぞれ素敵だった。ヒーローが冷酷すぎるのも嫌だし、穏やか過ぎるのも物足りないのでわたしはこれくらいのが好き。2014/01/26
ぽこ
8
秘密って何だろうとわくわくしながら読みました。男って鈍感だよね～。2016/08/14
ひまわり
3
元モデルのヒロインと年上弁護士ヒーロー。ヒロインが忘れられない恋の相手はびっくりだった。2011/06/08
りりか
2
著者には時々こういう作風の話があるのですが、ロマンスとはあまり関係なく、秘密を抱えたヒロインに関するラスト近くの展開にはびっくり。しかしそれもふまえてのハッピーエンドで、面白かったです。2012/08/16
める
1
先にアマゾンで感想を読んだものですから、結末が想像できてしまって残念に思いました(でもレビューを読まなかったら買ってないと思う…)。ジレンマを感じます笑2014/07/27
