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内容説明
「解剖」「スキー」「石鹸」「洋食」「アイスクリーム」「傘」「国旗」「幼稚園」「マッチ」「電話」「蚊帳・蚊取り線香」「胃カメラ」「万年筆」の十三編のはじまりの物語。そのひとつひとつに歴史があり、人の営みがある。江戸から明治にかけて、人々は苦労して新しいものを取り入れ、初めてのものを作りだした。三十年以上歴史小説を書きつづけてきた著者が豊富な史料を駆使して書いた新鮮な驚きが溢れる物語。
目次
解剖
スキー
石鹸
洋食
アイスクリーム
傘
国旗
幼稚園
マッチ
電話
蚊帳・蚊取り線香
胃カメラ
万年筆
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mondo
32
ちくまプリマー新書の創刊時に出版されたエッセイ集。2005年1月に初版が発行されているので、吉村昭が亡くなる前の年にあたる。これまで、長編の歴史小説を執筆する際に丹念に調べ、ノートにしたものがベースになっているのだろう。幾つか、思い当たるシーンがある。その中で印象深かったのは、解剖と胃カメラだった。また、読み返してみたくなった。2022/08/05
り こ む ん
21
歴史小説のおまけ?取材や資料集めで、知り得た始めてをちょこっとご紹介的な感じ。「傘」番傘=蛇の目傘って同じかと思っていた。同じ和傘なんだけど、ちょっと違うのだね。「国旗」も、なんとなしには知ってたけれど、そーゆー事からだったんだ。「万年筆」孫娘ちゃんの気持ち分かる!私も欲しい!!今は、あまり字を書かなくなったけど、万年筆って自分だけの特別な筆記用具に思えるから…孫娘に「万年筆」プレゼントする吉村さん素敵だなぁ。2014/09/18
誰かのプリン
18
前章は【事物はびめて物語】で日本に入って来て、初めて使われた物の話。蚊取り線香の話が印象的で面白い。後半は、作品に関する思いや取材旅行のエッセイになっている。 2018/08/25
うえぴー
17
『三陸海岸大津波』が素晴らしかったので、同じ著者でもう1冊。本書はちょっと長めのコラムといった感じで、軽く楽しめました。解剖、スキー、石鹸、洋食、アイスクリーム、傘、国旗、幼稚園、マッチ、電話、蚊帳・蚊取り線香、胃カメラ、万年筆。著者がそれまでに歴史小説を書くために集めた資料から、興味深いものを、さらに掘り下げて調べたそうです。石鹸の章では、日本で初めて洗顔用石鹼を作った会社が社名を考える際、「洗顔石鹼→顔→花王」と、あの会社名は洒落から来てたんですね。2017/03/11
読書国の仮住まい
4
ボリューム パイオニアたちのとっておきの話 世界観 まえがき、『解剖』『スキー』『石鹸』『洋食』『アイスクリーム』『傘』『国旗』『幼稚園』『マッチ』『電話』『蚊帳、蚊取り線香』『胃カメラ』『万年筆』吉村昭が描く初めて物語。 補足事項 この中で小説として作品化したのは解剖と胃カメラだけだろうか? ある一場面を描くのに用いることもある。 『仮釈放』ではワンタッチ傘に驚くという情景がある。 また『遠い日の戦争』では主人公が働くのがマッチ工場。 役所に勤める吏員に武家が多く、もうしもうしが今も残り続けるおかしみ。2023/09/21