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内容説明
経済的不況よりもはるかに深刻な「生きる意味の不況」の中で、「本当に欲しいもの」がわからない「空しさ」に苦しむ私たち。
時には命をも奪うほどのこの苦しみはどこから来るのか?苦悩をむしろバネとして未来へ向かうために、いま出来ることは何か?生きることへの素直な欲求を肯定し合える社会づくりへ、熱い提言の書。
目次
1 「苦悩」の正体(「生きる意味」の病;「かけがえのなさ」の喪失)
2 数値化と効率化の果てに(グローバリズムと私たちの「喪失」;「数字信仰」から「人生の質」へ)
3 「生きる意味」を創る社会へ(「苦悩」がきりひらく「内的成長」;「内的成長」社会へ;かけがえのない「私」たち)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
133
現代は豊かなのだろうか。ため息の多い社会。他者より優れるために競争をし、犠牲者を出し被害者と感じる。道を外れた途端、生きる意味を見失う。数字を求める社会は心の豊かさを忘れ、生命の輝きは消えてしまう。会話が減り、思考力も感性も乏しくなる。「私は何をしたらいいの…」他人からの評価を高める生き方に過剰適応してしまった故に、生き方がわからなくなる。苦悩を深く探求することにより内的成長が芽生える。失敗も成功も自由であると感じ、他者を尊重し、交換不可能な自分を尊敬することにより、生きる意味の再構築の可能性も生まれる。2019/04/23
おたま
43
現代の「生きづらさ」や「何をしたいのか分からない」「何が欲しいのか分からない」という実存的な問題を、心理学的に、ましてや自己啓発的に解決するのではなく、社会のあり方と関連付けて解いていこうとしている。上述の感覚をグローバリゼーションや新自由主義の蔓延による、数値化、効率化、格差といったところに原因を探っている。そうした上で、「生きる質」「内的成長」を重視し、それを包み込み育てていくコミュニティーや社会のあり方、さらに相乗的に生かし合う関係の創造へと向けて構想を展開していく。大変アクチュアルな本でもある。2020/05/05
おいしゃん
37
予想以上に難解だったが、15年前からライフワークバランスや、「自分らしく生きる」ことの大切さを説いていたとは驚き。2018/10/08
団塊シニア
33
自分自身の心に素直になって自分がいま一番何を求めているかに従って生きていこうという作者の言葉こそ生きる意味だと思う、実際思いどうりの満点の人生を生きることは難しいこと、せめてワクワク感だけは失わないで生きていきたいものだ2018/11/27
koji
30
著者(東工大副学長)は6月まで日経新聞夕刊コラム(あすへの話題)水曜日を担当していました。どれも鋭い切り口ですが、特に6/22付(質問は自己表現だ)は秀逸でした。大学の講義後の質問やコメントが、日本人は「ここが分かりません」、外国人は「ここが納得できないんですけど」、この彼我の差は大きいとの主張です。本書(2005年)でも、日本人を抑圧するシステムの本質は、その場の意図を察知し、それを効率的にに遂行するよう命じる「人の目」を過剰に意識しあう構造と言います。慧眼です。17年経ちますます悪化してると感じます2022/07/03
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