内容説明
第二次世界大戦で闘った老グルカ兵が、人を探しているという日本人を助けたことから、フォークランド紛争で闘ったグルカ兵と偶然邂逅し、遠い記憶を呼び覚ます切ない連作短編集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒川ケンキチ
1
谷甲州の『サージャント・グルカ』再読。 「ご老人は……どこでした?」 老人は知っていたのか、というように笑ってみせた。 「三三旅団にいた。前の大戦中は、君らの国の兵隊ともたたかったよ。コヒマだった……」 そういってから、昔を思い出すような眼をしていった。 「君らの国の兵隊はみな勇敢だった……。我々も戦闘力では負けない自信があったが、日本の兵隊はそれ以上だった……」 これはグルカ兵の物語であると同時に、旧日本兵の異常なまでに精強だった理由が描かれた傑作戦記小説である。2013/02/04