講談社学術文庫<br> 『涅槃経』を読む ブッダ臨終の説法

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講談社学術文庫
『涅槃経』を読む ブッダ臨終の説法

  • 著者名:田上太秀【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 講談社(2015/01発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061596863

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内容説明

死に直面したブッダは、自らの得た覚りを弟子たちに開示した。このブッダが最後に残した諸々の教えを、多彩な比喩を随所にちりばめ、明快な問答形式で記したのが『涅槃経』であり、数ある仏教経典のなかでも「仏性思想」を説いてひときわ異彩を放っている。中国・朝鮮・日本等、東アジアの仏教思想に多大な影響を与えた『涅槃経』の精髄を読み解く。(講談社学術文庫)

目次

まえがき
第一章 仏教の基礎知識
第二章 『涅槃経』について
第三章 仏性とはなにか──その意味するもの
第四章 『大乗涅槃経』のユニークな思想
第五章 多彩な比喩説法を読む
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

100
仏陀の最後の教えをまとめた『涅槃経』の解説。最初に現在の日本の仏教に対する批判が書かれているのに驚いた。癒しのない「葬式仏教」だと著者は厳しく批判する。仏教の基本の教えについてもまとめられているので、それを読めば『涅槃経』の本当の意味がある程度分かるようになっている。非常に親切な書き方だと思う。「仏性」や「一切衆生悉有仏性」といったよく知られた仏教の本当の意味を作者は、原典を参照しながら丁寧に問い直している。この姿勢に深く共感。仏教がもたらす救いについて真摯に考察する姿勢は深い信仰心に基づいているはずだ。2017/01/04

荒野の狼

5
涅槃経とは大般涅槃経 のことで、その一般人向けの解説書で3日で通読できる読み易い本です。引用は涅槃経に限らず、その他の仏典からの引用やサンスクリットなどの原語からの用語の解説などが充実しており、学術的に高い信頼がおけます。2008/12/25

moonanddai

5
教行信証に引用されているという「アジャセ問題」に関して読もうと思ったのですが、その部分についての記述はありませんでした。が、仏教というか「大乗」仏教のアウトラインみたいなものが見えてきました。原始仏教から大乗への「飛躍」というか「変質」というかは分かりませんが、その重要な要素である「仏性」について教わりました。「仏性」つまりは「ブッダになれる素質」と見たとき、それが以後日本の仏教をも含む大きな流れにつながっているのですね。2018/08/01

やまえつ

4
ブッダがお亡くなりになる最期の様子を描いた物語が読めると期待していたら、全く違っていた。大乗涅槃経の特徴的な思想、特に仏性について詳しく解説されていた。この経典がその後の大乗仏教に与えた影響の大きさが伝わってきた。ただ、あらすじだけでも載せておいて欲しかった。2008/07/02

Makoto61

3
仏教徒でありながら、経典についての知識がほとんどないので、すこしでも勉強しようと思っている。これはお釈迦さまの最後の説法ということで非常に興味深く読んだ。宗教は本来、その自体の真理を書き表したものだと思って、仏教はその色が強いと考えている。ただ、真理を説明することは非常にむずかしく、この最後の経典ではたとえ話が多く掲載されているというのはお釈迦様が真理を伝えようと努力したものなのだと感じた。1回読んでも半分も理解できなかったが、他の経典のものも読んでみて、もう一度これを読み返してみたい。2015/07/22

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