内容説明
維新の動乱の渦中で日本国の司法・行政組織の基礎を考案し、「佐賀の乱」の主謀者の汚名を着て刑死した江藤新平。新平に影の如くつき従い、真の武士道の眼でその波乱の半生を見届けた深堀武士、江口宗善。宗善自筆の手記をもとに、二人の壮絶な人生を生き生きと描く、史料を丹念に追った長編歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryu
1
深堀武士の宗善と江藤新平の歩みについて割りと簡単に書かれています。読みやすいと思います。江口宗善という人物について知らなかったものですから感情移入が出来ず、戊辰戦争での深堀武士の活躍については理解できてませんでした。江藤さんとは後半からよく絡んできます。前半はあまり頭に入ってないため、もう一度読み直したいです。江藤さんがどうしてああいった気質なのかといったことが分かり、粗方の流れが分かれば面白く読めます。勉強不足のため、会話が佐賀弁なのと、日記の読み下し文、そこは読みづらかったです。2014/03/12
きさらぎ
0
深堀出身の著者が、長崎湾に面した肥前国深堀出身の十作と、その父方の従兄で15歳年長、肥前国佐賀出身の江藤との関わりを軸に、幕末から佐賀の乱までを書いた小説。著者の深堀武士への思い入れが熱くて気持ちよい。江藤も時々貫禄負けしてる(笑)江藤については割と突っ込んで書いているが、それ以外の佐賀四傑や前山といった佐賀人に対しての評価は辛めかなと思う。佐賀の乱と江藤、というのは著者自身も認めている通り書きにくかったようで記述も歯切れが悪くて、まあ、実際歯切れの悪い戦争だからなあ、と読みながら思ったりした(苦笑)2014/04/09