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内容説明
大きくゆらぐ家族関係。家族を救う力とは? いま、父親にできること、母親に望まれること、子どもが求めていることがわかる本。
目次
第1章 「家族」とはなんなのか
第2章 親子・夫婦の不協和音
第3章 父親のどこが問題?
第4章 母親のなにが問題?
第5章 子どもにとっていい家庭とは?
第6章 問題にどう対処するか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aponchan
19
古本屋で何となく気になって手に取り、読了。あまり、この類の本は読んだことがなかったので、面白かった。 子育て中の父親としての自分になぞらえる部分をところどころで感じ、納得できた。理屈は分かるが現実としては、実践は難しいと思う。2019/08/30
takam
16
家庭の問題を扱う専門家たちの問いに河合隼雄さんが答える。大量消費社会から不景気の話があるので90年代後半からの家庭の危機を取り上げている。子供に対しての親の影響が重要だが、甘えさせることが必ずしも良いことではないということに気づく。子供なりに子供として守りながら、一人前の人間というリスペクトを持つことが大事なのだと思う。2020/10/13
黒澤ペンギン
10
これから家族の形はどうなっていくのかを考えながら読んだ。願わくば、村田沙耶香『消滅世界』みたいな個人でバラバラになるんじゃなくて、つながりを保っていけたらいいな。自分は独り身だが、もし家庭を持ったらどう思うのか楽しみになった。2023/04/28
roughfractus02
10
ユング由来の父性/母性から成る構造的な心理分析を歴史に適用する場合、家族構造の動的不均衡が理想を生み出す、という欲望の扱い方に注意する必要がある。そう考えさせる本書である。個々のクライエントに対峙する臨床家が日本の家族システムを母性重視と捉え、近代以後の西洋的父性を導入して「イエ」から「家」へ構造変容する過程を辿る著者は、昔や日本という一般化した主語で語る。すると、個々の父親/母親を父性/母性概念に一般化する欲望の動きに巻き込まれるように見える。本書には対象と不分離な自我という著者の考えが端的に記される。2023/01/09
ハパナ
8
生活とは元々煩雑で、物理的にしなければいけないことが沢山あった。それが、機械化などで利便性が向上するにつれ、核家族化や共働きなど外に向かう意識が働いていく。物理的な共有時間の減少により、父・母・子どもが夫々成長して行く”ゆとり”が減って行っている。そして核家族故のそれが正しいのかどうかは、結果として出てこないと当人には分からない。そのため、家族としての交じり合いをもっと進めるべきである。2018/09/14