内容説明
S大学研究室では記憶を消す方法がひそかに研究されていた。元芸能人だった怜治は、栄光の時代の記憶を消してもらう。その二ヶ月後、怜治は十五年前自殺したはずの高校の同級生を目撃する……! 前代未聞のアイデアと圧倒的なストーリーテリングで読者を魅了する驚愕の記憶ホラー。第十一回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
9
レテ(レーテ)の川の水を飲むと過去を忘れてしまうという。 一時は人気バンドボーカルだった主人公は、今の不動産仲介の仕事が上手く行かないのは絶頂期の記憶が足かせとなっているためだと思い、その期間の記憶を消去する処置を受ける。 だが不思議な出来事が起こるようになり、消した過去を調べようとするが・・・。 テキトーに収まるんじゃないのと思ってたら、そこまでやるかという状況になって驚いた。 期待してなかったけど、悪くはなかった。 425ページ 2015/10/17
Ai
3
記憶消去やそれがもたらす事件はおもしろく読んだ。でも、高校の同級生たちのしょーもない過去を、引きずり過ぎていたので、辟易した。2017/02/11
ネムル
3
ホラ大の佳作作品で、失われた記憶を求めるミステリ風の構成にオチはSF。良くいえばディックばりの現実感覚の崩壊の炸裂だが、悪くいえばノストラなんとかみたいなトンデモ本(いや、むしろこれは良いところか)。2009/06/27
62560
2
酔歩する男やペイチェックを思い出します。普通に面白いと思うのですが、後半部分がなんかなあ…。終わり方はこれしかないという感じです。府に落ちないのは、小山の親父がどうやって8という数字にたどり着き、息子の復活を目論んだか、という点。親父に告白させてから殺した方がもっとスッキリ完結できたのでは、思いました。2011/07/07
斎(いつき)
1
#レテの支流 #早瀬乱 #KindleUnlimited #読了 確かかなり昔の角川ホラー大賞。アンリミにいたので読む。 少し小難しい脳科学の話とハッキリしない主人公に翻弄されながら読むも、 最後の場面で (…幸せであって欲しい) と願ってしまった。2023/06/25