内容説明
それは僕に必要な静かな午後だった。風も波もない、まったく平静な宇宙空間にいるような時間が――恋人との別れから三年後、一本の電話が僕を直撃した。胸の痛みを抱えながらも、やがて心の奥底が暖かくなる時間が訪れる(表題作)。別れとはじまり、生きることの希望を描いた珠玉の短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
81
【追悼~大崎善生】こちらも12年ぶりの再読です。6編からなる恋愛短編集ですが、北海道出身作家さんらしく、北海道を舞台にした作品もちらほらと書かれています。表題作は後に登場人物の名前が変わり、長編『ランプ~』へとつながります。『球運、北へ』はきっと旭川の某高校の甲子園でのコトが書かれてるのかなと。個人的には『ディスカス~』が一番好きな話です。ちょっとサスペンステイストもあり、ボリュームも控えめでどんどん読めてしまいます。大崎さんのこういう作品が今後、もう読めないと思うと本当に悲しく、残念で仕方ありませんね。2024/08/11
あつひめ
32
大崎さん初読み。流れに抗う事の無い、時にはその流れが早すぎて流されてしまうような生き方をする主人公達を描くのが得意なのかしら?どさんこ作家さんなので、すごく興味が湧いてくる。サッポロの光がやはり地元ネタだし空気を感じる事ができるから気に入りました。登場人物たちが何かしら北海道と繋がっているところが故郷を気遣いながら?作品を書いているように思えて好感度アップ。続けて大崎ワールドに溺れてみようと思います。2011/02/18
風人
17
初読み作家さん。北海道出身だったんですね。少し重く、静かで淡々とした恋愛短編集。どの作品も読了後に余韻が残った、気持ち次第ではどんより感もあるかもね2019/05/07
ねころじ
11
ひんやりみずみずしくて、化粧水後の肌のような読書感。 展開が読めなくてはらはらするからずるい。2018/02/07
スノーシェルター
10
友人、恋人、家族、別れの形はそれぞれ。同じものなどひとつもないだろう。切なくもなったけれど、別れについて考えながら読めた。良くても悪くても、別れに慣れることはないし、別れは嫌い。2012/02/29




