クリスティー文庫<br> アクナーテン

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クリスティー文庫
アクナーテン

  • 著者名:アガサクリスティー【著】/中村妙子【訳】
  • 価格 ¥726(本体¥660)
  • 早川書房(2012/07発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784151300714

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内容説明

古代エジプト第十八王朝の王アメンヘテプ四世(アクナーテン)は、勢力を増すアメン神の神官団排除のため、太陽神アテンを唯一神とする宗教改革を断行。その歴史的事件をもとに、若きアクナーテンと美しい妻ネフェルティティの愛、民に自由を与えるはずの彼の計画が崩壊する様を劇的に描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

64
アクナーテンが目指したのは人民への自由と美の確立だった。ただ、民衆の生活も、エジプトを取り巻く国々との関係性と実態も顧みない彼の政策は、独りよがりなものでしかなかった。時代や場所が変わり、理解者で保護者で実行役が周囲に多数いればアクナーテンは「王」に向いていたかもしれない。ただ、争いを持って国を統治し、民の安寧を図った古代エジプトにおいては王足り得なかっただけなのだ。王への忠誠心を持ちながらも捨てきれないアメン信仰への敬意と、急激な変化に困窮していく民の実態を知るが故に訣別するホルエムヘブの苦悩が痛ましい2023/09/02

えか

43
古代エジプトのファラオ、アクナーテン。それまでの多神教の神を否定し、太陽神ラーの一神教を信仰したために、エジプトの歴史から抹消された王様である。こんなに面白いとは思わなかった。別に突拍子もない推理劇とかではないのだが、ちゃんとアクナーテンの退位に関しての、推理劇になっている。内容は『マクベス』『リア王』『ハムレット』オマケに最後は『ロミオとジュリエット』を彷彿とさせる。これを、矢張りクリスティもイギリス人だと見るべきか、それともあらゆる演劇の基本的プロットを大昔に網羅したシェイクスピアを凄いと見るべきか。2023/05/31

みや

40
古代エジプトのアメンヘテプ四世が宗教改革を断行して凋落する歴史戯曲。最推しファラオ×アガサという夢の組み合わせ。当時も今も悪者扱いされるアクナーテンを、愛と美を信奉し、金と武力を嫌う高潔なファラオとして描いている。私は権力回復のために宗教を利用した説が好きなので、神を深く信じて政治に潔癖すぎる様子は愚昧さが強くて残念だったが、人に阿らず、新しいことに挑み、王のあるべき姿を貫き通したアクナーテンがやはり私は大好きだ。国と王の間で揺れるホルエムヘプの存在も良かった。3600年前から人間は大して変わっていない。2020/03/22

コーデ21

35
クリスティー作の戯曲、初読み! そもそも戯曲は少々苦手なので流し読みするつもり(コラ)で手に取ったところ、読みやすくて最後まで一気に読了でした。ポアロやマープルシリーズのような奥深い人物描写はないものの、平和を求めて太陽神アテンを唯一神とする宗教改革を断行した古代エジプト国王アクナーテンの崩壊する様は物哀しく、その余韻に浸れました。アガサの戯曲、他のも読んでみようかな(^^♪2023/07/28

のびすけ

32
古代エジプトのファラオ・アクナーテンが断行した宗教改革をめぐる王族と側近たちの人間ドラマを描いた戯曲。アクナーテンは平和と調和の理想を掲げ戦うことを放棄、従来のアメン信仰を排除するとともに新たにアテン信仰を国民に強制したが、国の混乱と衰退を招いてしまう…。アクナーテンの王妃ネフェルティティへの愛情や、ホルエムヘブの葛藤、ネゼムートの陰謀などが情緒豊かに描かれている。国を顧みず、自らの理想だけを追求したアクナーテンの末路が物悲しい。吉村作治先生による専門的立場からの解説も興味深い。2023/03/07

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