内容説明
マッカーサーの「日本人は12歳の少年」という発言や、「エコノミック・アニマル」「ウサギ小屋」といった言葉は、日本人をネガティブに評する際に使われる決まり文句である。しかし、実はこれらの言葉に批判的な意味はなかった。日米開戦のきっかけになった誤訳、ダイアナ妃の招いた誤解、世界には通じない「グローバル・スタンダード」の意味等、近現代史のさまざまな場面での誤解、誤訳を紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nagatori(ちゅり)。
19
エコノミック・アニマルって最近聞かないよなぁ、いつから聞かなくなったっけ?とそこからこの本へ入って行ったので、そもそもこの言葉の現在一般に広く流布されている意味合い自体が誤訳誤認から生まれたなんて、のっけから固定概念をひっくり返された感じ。ウサギ小屋も同じく。言葉を発信する側の意図、受け取る側の意図、それだけでもややこしいのに更にそれに“翻訳”というブラックボックスが入るんだもんな。あぁ。言葉って難しい。2019/12/09
くろまによん
6
物事の裏側というか、正しく理解されないことってたくさんあるんだなぁという感想。言葉は意外と正しく伝わらない。なかなか示唆に富む本。2017/11/09
M1号
3
誤訳のせいでで国と国の関係に影響があったり命に関わったりは怖すぎる…。昔は情報も少ないだろうから通訳大変だっただろな、とは思うけど。■漱石のイギリス留学中のネクラ生活についても結構触れられていて興味深く読んだ。著者は多方面の文献を調べて紹介してくれる。■言語が同じでも、意図をうまく伝えられなかったり汲み取れなかったりは多発する。外国語を訳すとなると言語知識だけでなく、文化背景やそのときの人間関係、状況も把握していないと正確なコミュニケーションはなかなかとれないわけで、ほんとナマモノだなあと。2025/08/19
スズツキ
3
あらすじにあるような言葉の数々は否定的な意味でとらえられているが、本当の真意は別のところにあったというのが趣旨。その意味を本人に問いただすことやバックグラウンドを知らない人間が批判ありきで揚げ足取り的に取り上げることは実に恐ろしいものよのぅ。2015/03/17
刻猫
2
単なる誤りであったり、意図的な読み替えであったり。言語感覚、コミュニケーションの問題。悲劇的、喜劇的なすれ違い。語法や文法に忍ばせた、政治的なテクニック。ソースに当たっていく検証によって、言葉を巡るダイナミズムを味わう。2017/04/20
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