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内容説明
二〇世紀を代表する建築家が日本で得た重要なヒントとは? 今日的問題を先取りした建築と浮世絵との意外な接点とは?ライト研究の第一人者が今まで論じられなかった素顔に迫る。
目次
序章 建築の巨匠ライト理解のために
第1章 浮世絵蒐集家ライトと日本人との親交
第2章 ライトの幼少年期とジャポニスム
第3章 一八九三年、シカゴ万国博とライトの独立
第4章 ライトの初来日とその成果
第5章 ライトの日本版画論と浮世絵蒐集家としてのライト
第6章 浮世絵ディーラーとしてのライト
第7章 ライトが蒐集した浮世絵の「里帰り展」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
7
人は生きていく必要がある以上稼がなければならない。そして、良い生活をしていれば、その分だけ支払う金額も大きくなる。それを維持していくためには、好きなものであっても商売の道具にすることも避けられない。好きなものであるからこそ、知識は深く、そして良い物を良いと評価することもできる。2013/11/14
misui
5
建築家フランク・ロイド・ライトの浮世絵蒐集家としての一面を取り上げる。ボストン美術館を中心としたアメリカの浮世絵コレクションの大部分がライトによってもたらされたというほどで、有数の蒐集家でありディーラーでもあった建築家の足跡が明らかにされる。建築への日本美術の影響についてはあったとしながらもわりと慎重な記述で、あくまでも背景を知るには良い一冊。2014/11/15
die_Stimme
3
電子書籍で手軽に読めるライト関連本は本当に少ないのでこの本はありがたい。浮世絵蒐集家としてのライトに光を当てていて、もともとは浮世絵を気に入って集めていたのがだんだんビジネスになっていき、蒐集家という以上にブローカーみたいな立ち回りになっていたのも面白い。本書の特性上いたしかたないところではあるが、ちょっと日本の影響を高く見すぎているきらいもある気がした。自伝を読むと、たしかに東洋的なもの、とりわけ浮世絵を好んでいたことは書かれてきても、基本的には自分スゴイの人なので外からの影響とかは否定している。2023/11/11
蛭子戎
2
Kindleのアンリミテッドで。フランクロイドライト作品ってアメリカ以外には、ほぼ日本にしか現存していなくてその理由が彼が浮世絵スキーでバイヤーもやってたからだそうだ。2017/11/17
yyrn
2
浮世絵に魅せられた「もう一つの顔」という副題どおりの本。歴史的・世界的建築家の人間性を知る手がかりとなり得る本だ。しかし、それにしても明治維新の混乱期に随分と浮世絵が海外に流出していたのだなと驚くばかりだが、結果としてそれが保存に役立った面もあるのだろう。禍福はあざなえる縄のごとしか。2013/12/30