内容説明
「ただ一本、芝居を打てたことだけで、僕は満足していました。(中略)タバコの煙とシャボン玉と、広場と。(中略)残念なことに、この幸福を超える幸福を、僕はまだ経験してはいないのです」(本文より)。鴻上尚史の芝居の原点とは? その変遷は? 彼の作品はなぜ人の心を打つのか? 鴻上尚史と彼の演劇の全てが分かる、自選傑作エッセイ集!
目次
第1章 演劇なんぞというものを(芝居を始めたきっかけ ブロードウェイ 視聴率 ほか)
第2章 恋愛なんぞというものを(オソロシイセリフ 欲望のはっきりした対象 唐人お吉 ほか)
第3章 人生なんぞというものを(ごあいさつ(『パレード旅団』)
「むかつく」について
幸福 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろ
4
もしかしたら今年面白かった本トップ5にはいるかもしれない・・と考えたほどの一冊。笑ったり、考えさせられたり、生々しかったりするコラム集でした。演劇に疎い僕ですが、演劇のアドバイスはそのまま人生につながる気がしました。2012/11/13
lovekorea
3
学生時代にほんの少しだけ演劇に関わったことがありますが、深入りせずに良かったと心から安心できる?本でした。 とは言いつつ、こんな濃密な時間を味わえるのならば、それはそれで幸せかも知れないと、羨ましくもなりますが ( ̄▽ ̄)2018/12/11
puu
3
再読。10年以上前の本だが今でも状況は変わらないな。先見の明はさすが。「表現と表出」のくだりはとても納得。ネットの状況はさらに悪くなっていっている気がする・・・。いろんな出展からの文章なので話題はいろいろに及ぶが するどい洞察力。 やはり才能を感じる。「愛はシステムに負ける。気合も根性もシステムに負ける。真実の言葉はいつも短い」納得。2017/02/13
りゃん
3
昔から、鴻上さんの本を読んできた。この人の様に、深く物事を見られる人間になりたい。そう、思っていたはずなのに、今の自分が結構浅いことが悲しい。2014/04/20
毒ドーナツを食べたいな
3
第一章がイイネ。◇劇団の立ち上げについて語る箇所では、精神的/肉体的な苦労がありありと描写され、鴻上氏の体験がそのまま伝わってきた。 ◇そこで書かれることは、組織内での立ち振る舞い(=集団力学)こそが自己実現につながるというメッセージ。◇13年5月現在手に入りにくいのが残念。2013/05/10