内容説明
生徒「人の心ってどこまでわかるのですか?」先生「わかってたまるか(笑)。でも、僕らは最大限の努力はします。心理療法は命がけの仕事なのです」生徒「ワカランワカラン言っていて治療できるのですか? 箱庭を作ると治るんじゃないんですか?」先生「ハハハ」──人の心は不思議で深遠、謎ばかり。シンボーさんと少し勉強してみませんか? 楽しいイラスト満載。
目次
臨・臨床心理学
催眠術は不思議か?
頭の中味を外に出す
心理学は科学か?
心理療法は大変だ
心理療法とヘンな宗教
謎の行動、謎の言葉
人間関係が問題
心理療法と恋愛
箱庭を見にいった
「物語」がミソだった
わかることわからないこと
ロールシャッハでわかること
やっとすこしわかってきたのに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
眠たい治療家
54
南伸坊の『個人授業』シリーズ。本作は心理療法について、生徒・南伸坊氏、先生・河合隼雄氏の質疑応答形式で述べられる。心理療法の医学、教育からの歴史や、フロイトやユングの関係と派閥、精神分析とカウンセリングと心理療法の相違点、ロールシャッハテストや箱庭療法での患者事例など。素人が疑問に思うことや感じることの質問が多く、それをわかりやすく率直に回答している。また、南氏ならでは視点での質問や考察も興味深く、河合先生の冗談交じりの回答も面白い。流行りモノの心理学ではない、実地の生きた心理療法・臨床心理学の入門書。2011/05/20
佐島楓
25
この本を読んで、やはりどんどん時代が進んでも、いや、進めば進むほど人の心というものはわからなくなっていくのではないかと思った。南さんが非常に鋭く、読みやすい文章を書いていらっしゃる。「人の心」を理解したい、考えてみたいと思われている方は、入門篇として是非。2012/10/29
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
23
【2回目】文庫本で読んでいたものを、Kindleで再読した。1回目では何もわかっていなかったことがわかった。しかし、2回目でもよくはわからなかった。記述は平明なのだが、話しが深くて、追いついていかなかったのである。私はかれこれ10年近くカウンセリングを受けてきていて、この本を再び手にしたのは、そのカウンセリングが適切なものなのかを検証したいという欲求もあったのだ。しかし、その目論見は「よくわからなかった」ことによって外れたことになった。生徒役の南伸坊さんがクレバーなのに驚嘆した読書だった。2018/09/30
NOBU
16
非常に興味深い本。 河合隼雄さんと南伸坊さんによる、講義レポートとその講評というスタイル。 精神分析、心理療法、カウンセリングの相違。精神分析医と心理療法士のちがい。フロイトとユングの関係。箱庭療法、ロールシャッハテスト。専門的なことが平易な言葉と時に寒い駄洒落で表現されている。(河合先生根っから関西人ですね)それが秀逸だと思う。 2011/04/16
roughfractus02
12
「わかる」と「わからない」の境界は「わからない」。両者を意識と無意識の領域に分けるとその境界が「わかる」ように見えるだけだ。臨床家は両者を層と捉え、表層から深層に潜っていくイメージで心理療法を行うという。ここから「わかる」という判断を脇に置くと、どのくらい「わからない」のかという程度の問題が出てくる。その一方で、クライエントとの感情的なもつれ(転移/逆転移)も生じるという。心理療法を「わからない」面から問う対話者の巧みなスタンスゆえに、他者を意識して箱庭に手をつけない態度を臨床家が指摘するところが面白い。2023/02/09
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