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内容説明
世界的に有名な映画監督クロサワを父に持つことは、並大抵の苦労ではない。仕事上のトラブルや社会への憤懣から父の怒りに火がつけば、家族はたちまち嵐に巻き込まれる。ところが、ひとたび旨いものが食卓に上るや、上機嫌のニコニコ顔に――。父の愛に育まれ、映画界へ飛び込み、晩年の父に寄り添い続けた娘だから書ける、素顔の黒澤明。「信頼する」「反抗する」「想像する」など、黒澤明の哲学が、肉声とともに伝わる24話。
目次
選択する
信頼する
演出する
比べる
反抗する
育てる
愛する
反復する
感じる
勉強する
想像する
記憶する
食べる
喋る
集中する
眠る
着る
戯れる
集める
泊まる
倒れる
老いる
広める
見詰める
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
7
良かれ悪しかれ「天皇」と比べられるほどにまで高められ崇拝された(あるいはコケにされた)黒澤明の姿を娘の和子氏が捉えたエッセイ集。ここに居るのはしかし「巨匠」あるいは「人格者/人格破綻者」としての黒澤ではなく、もっと人間臭くてヤンチャで好奇心旺盛で人の迷惑など省みない(一方でスタッフや家族には細かい気配りを忘れない)ひとりの男の姿だ。黒澤映画は現段階では『夢』しか観ていないのだが、そんな無知な私であってもなおこの書物を楽しむことが出来たのは、監督にとって幸せなことかどうなのか。黒澤をグッと身近に感じてしまう2016/11/21
shalin
1
家庭内での黒澤明の様子が知れるのはありがたい。淀川長治によると、黒澤さんはすごくシャイな人で映画の話をむしろ避けるような人らしかったけれど、長女の目から見た父親黒澤明は、映画でもなんでも喋って考えをまとめていく人だった、ってのは興味深かった。2015/10/26
犬こ
1
実の娘さんによる黒澤明 回想録。厳しいイメージとは反して、とても素直な心を持って生きた人だったのだなと感じました。本を通じて、今さらながら黒澤明ファンになりました。2013/04/22
孤灯書屋
0
⭐️⭐️⭐️⭐️2021/06/04