内容説明
霧の夜、ロンドンで神父が撲殺された。その靴の中に九人の名が記された紙片が隠されていた。そのうち数人が死亡している事実を知った学者のマークは調査を始め、古い館に住む三人の女が魔法で人を呪い殺すという噂を聞くが……神父の死と連続死の謎をときほぐす不思議な物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
277
微妙な部類のクリスティ作品。これは初読み。オカルトで押してくるのかと思いきや、秘密組織系の中途半端極まりない冒険スリラー方面に脱線し、このブーメランもう戻ってこないのかとあきらめたところで急に本格ミステリ的解決編にいたり、そこそこ意外性のあるトリックと犯人であることに救われて最低ランク落ちをなんとか免れた。お得意のロマンスも盛り込んではいるものの、こちらでもヒロイン役の選定を若干しくじった感があり、登場シーンが普通すぎ。他がダメダメだっただけに、真犯人暴露場面でのひっくり返し方が際立ったともいえる。2024/01/14
mae.dat
110
モヤる。 この本はさー初読ですが、殺害方法の一端は知って居たんだ。儂ら界隈(?)で有名ですから。 坊やに「じゃじゃーん」って見せたら、キーワード言われた。「(そこまでは知っているけど)ネタバレするなー」ってね。( ¨̮ )。 でさ、本編では、凄く話が広がって、本当に収拾できるの?ってね思ったけど、後半怒涛の寄せでね……凄い。それは見事。 ただ、読み飛ばしたのかなぁ?疑問が残りまくリングなんだわさ。うむー。2020/08/31
NAO
85
テーマは、『マクベス』と「呪いで人を殺せるか」。前半で記されている主人公と友人たちとの『マクベス』の三人の魔女の演出方法についての議論が、話の中に強い影響を与えている。犯人は、言われてみれば納得、でもけっこう意外な人物で、面白く読めた。2019/05/29
優希
58
ミステリーでありながら、オカルトに満ちた作品でした。とは言え、クリスティ特有の明るさがあるので嫌な心地はしません。魔法で人を呪い殺すという古い館に住む女たちと神父の死との関連を探理に行くというのがドキドキさせます。シリーズものも良いけれど、ノンシリーズものも面白いですね。2023/11/17
Tanaka9999
55
2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。解説は間室道子(書店員)。そうか、そうなるのかという感じである。オカルト趣味は単なる背景。でも犯人となる人物はさっぱり分からなかった。というか、読み終えても分からない。本当に? という感じである。2021/05/06