内容説明
オニールに請われカテリナ女学院で上演される悲劇『ハムレット』に、オフィーリア役で、出演することになったユウリ。顔合わせのため、学院を訪れた日、ユウリはヤナギのそばに立つ朧な影を見てしまう。――オフィーリアが水の中から蘇ると人が死ぬ――。カテリナ女学院にはオフィーリアを演じると、水難に遭うという呪詛がかけられていた。そして、ユウリもまた……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
40
2018年71冊め。再読。作中で語られているハムレット論は目からうろこだった。これは原書で読んだ人でなければ気づかないだろう『この世の関節が外れてしまった』話。記憶から抜けていたがオニールにはおてんばな妹がいるらしいが、欧州編になっても登場しないな。2018/03/12
翔(かける)
29
第8巻。前巻に引き続きよくまとまっていて、好みだった一冊です。「文学少女」シリーズしかり、古典の文学作品がベースになったお話は、練られていれば練られているほどおもしろいなぁ。今回はカテリナ女学院で曰くつきのオフィーリア役をユウリが引き受けるところから、オフィーリアの呪いを解き明かすお話です。命の危機に見舞われるユウリだけど、危機一髪救ったのイラストが「!!!!?」って感じでびっくりしました。すみません、そっちじゃないですが興奮しました←2018/09/22
藤月はな(灯れ松明の火)
20
今回はユウリは大変な目にあってシモンは毎度、気が気じゃありませんね。マクケヒトの運命論は「神が望むから」という理由で差別や虐殺をするような考えと同じく、「自分に都合のいい御託を並べやがってふざけるな」と思います。「ハムレット」の世界観の転覆、オフィーリアの人物像、構成などの語りが興味深く、「ハムレット」を再読する時、注目する視点が変わりそうです。ユウリのことがまるで人間の世界の者ではないような書き方をされていて今回は精霊召喚魔術だけではなく、陰陽道も取り込まれていたのが嬉しかったです。2012/06/12
よっしー
19
ハムレットを読んだことが無かった事もあり、話の内容があまり掴めなかったのが残念です。読んでみようか…と思う反面、外国のお話って苦手なんですよね…。ても、知ってたらもっと深く楽しめたのかなと想うと少し残念。そして、いつもはユウリにちょっかいを出す側のアシュレイの出番が少なく、物足りず…。この二人のやり取り、楽しんでたんだなと気が付いた一冊でもありました(笑2024/06/17
みどり
5
オフィーリア再び。今回はユウリが別寮のイベント?に駆り出されるというか、女子校に駆り出されてそこでのあれやこれや。演劇は解釈の仕方によって、いろいろ別れるよね。 思春期の少年少女も、お互いの立場が分かれる時期には、同じようには考えられなくなっていくのもむべなるかな。 2022/02/06