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内容説明
ドラマは人生であり,それは発端,葛藤,終結の三段階で構成される.著者がそれに気づくには,貧乏と戦争とさまざまな不幸に加え絶えざる研鑚が必要だった.現像場の便所の落し紙に印刷された脚本を熟読し,小津安二郎,溝口健二,内田吐夢らの映画つくりから直接学んだドラマと人生の核心.92歳にして初心に立ち返る.
目次
目 次
Ⅰ 小津の重箱
Ⅱ 現像場でシナリオを発見した
Ⅲ 溝口健二のシナリオ作り
Ⅳ これはシナリオではありません
Ⅴ ドラマは三段階である
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mizzan72
7
映画監督、脚本家、また日本のインディペンデント映画の祖とも言える新藤兼人さんが、主に映画人として駆け出しの頃を綴ったエッセイ。溝口健二、小津安二郎、両天皇について書かれた章がやはり面白い。「これは脚本ではありません。ストーリーです」この溝口の言葉には相当参ったようだが、逆にこの言葉がなければ、後の新藤はなかったとも言える。軍隊生活についても多く語られ、その精神論一辺倒の訓練の生々しさに気が重くなる。度々、話があっちこっちに飛ぶのも、新藤さんらしさといったところか。2016/12/11
A.T
2
昨年満100歳で逝去された新藤兼人さんの監督デビュー前の下積み時代、最初に配属された現像所では撮り終わった映画のシナリオそのものが便所紙に使われていた だとか、溝口健二や小津安二郎といった戦前からの大監督や世話になった先輩や同僚の最初の妻との出会いだとか戦中の国策映画制作取材など時代を感じさせる逸話がポツリポツリと語られています。2013/02/24
Gen Kato
1
再読。溝口健二に「これは脚本ではありませんね。ストーリーです」と突き放されたのち、自ら「シナリオの三段階(発端・葛藤・結末)」の法則を発見するまでが、弾むような筆致で描かれる。しかしこの三段階、あまりにもシンプルすぎて新藤兼人以外の人間には応用が利かないような気も(笑) もっとも、マニュアルで書けるようなシナリオなど、しょせんは小手先の技術。新藤兼人の作品の域にはるかに及ばないのは自明の理ですが…2014/01/10
ozapin
0
発端、葛藤、結末。これにつきるというのだ、たしかにそうかもしれない!2016/05/03
rinrin
0
【BOOK(2014)-195】!!!!!!!!!2014/09/18