内容説明
戦争の足音が近づく昭和十二年から昭和十九年に発表された珠玉の短篇集。戦争の不条理を訴えるものや、現在のミサイル戦を予見する異色作品を多数収録。
目次
空襲下の国境線
東京要塞
若き電信兵の最後
のろのろ砲弾の驚異
アドバルーンの秘密
独本土上陸作戦
今昔ばなし抱合兵団
探偵西へ飛ぶ
撃滅
防空都市未来記
諜報中継局
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
12
昭和12~19年に発表された戦争小説。時期が時期だけにイケイケドンドン調で、こういうのをばっかり読んでたら日本が勝つと思っちゃうよねー、という感じである。そのうち戦争は無人機でミサイルの撃ち合いになるよ、帝都の防空はなってないの辺りがSF作家的。時間旅行モノなんかも。収録11本のうち「東京要塞」「探偵西へ行く」がシリーズ探偵・帆村モノ。この時期の帆村さんは間諜物で大陸の地下要塞にスパイに行ったりします。シリーズ探偵に「我らは生存を期せず…」とか言わせて自分目掛けて爆撃させちゃうのはとても重いです。2015/01/02
いちはじめ
2
日本SFの祖ともいえる人の戦争をテーマにした科学小説。忘れられた作品をよく発掘したとは思うが、作者としては、ずっと忘れてて欲しかったかもしれないなぁ、これ2004/07/26
kappa
1
戦時下でどのような作品が発表されていたのか興味があって読んだ。 昭和17年2月発表の真珠湾攻撃の様子を描いた「撃滅」の最後の一文「アメリカよ、思い知ったか、我が帝国海軍の実力を!」という部分を読むと、解説者の言う「戦争の悲惨さへの絶望的な思いも込められている」という点には同意しがたい。 2013/11/13
MIRACLE
1
筆者が昭和12年から昭和19年にかけて発表した戦争小説11作を集めた短編集(解説は長山靖生)。2011/09/30
結城あすか
1
書いてるのが海野十三だから現実戦争というよりも架空の戦争を舞台にした作品がほとんどで、その内容もマッドサイエンティストの発明した謎の新兵器とか、主人公が探偵小説並の活躍をするって感じの作品が多いから、いわゆる戦争の実態を描いた戦争文学とはまるっきり別物で、どちらかというと現在の架空戦記小説に繋がる感じのものにょ。ただし、1篇だけ現実の真珠湾攻撃を小説化した作品が載ってるにょ。おそらく当時の国民の戦意高揚のために書かされた作品なんだろうけど、それはそれで珍しくて興味深いだと思うにょ。2005/03/25
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