クリスティー文庫<br> 無実はさいなむ

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クリスティー文庫
無実はさいなむ

  • ISBN:9784151300929

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内容説明

資産家の義母を殺害した罪で獄に繋がれたジャッコは、懸命に無実を主張した。が、それもかなわず彼は獄中で死亡した。やがて、その二年後、一人の男が現われた。ジャッコの冤罪を証明する証拠をもっているというのだ。まもなくジャッコの完璧なアリバイが証明され、事態は混迷してゆく……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

107
★★★★★ 獄中で死んだジャッコの冤罪を、当時記憶喪失だったキャルガリが晴らした事により、事件は再び動き出す。 関係者の誰もが怪しく、中盤でやっとエスターが除外できるぐらい。二人目の犠牲者が出たところでやっと犯人(と真相)の目星がついた(^_^;) 後から考えると伏線の張り方が素晴らしい。それに登場人物が多い割にはそれぞれキャラが立っていて、序盤からラストまでダレることなく読めた。 最後の清々しさも好きだし、もっとメジャーになってもいい名作だと思う。2019/02/15

aoringo

100
資産家の女性が殺されその品行の悪い息子に容疑がかかる。しかしそれは冤罪事件だった。これといった探偵役がいないので、会話のなかからヒントを探した。慈善活動に熱心な被害者。良いことをしているはずなのに、彼女に拾われた養子たちや夫は穏やかでない感情を抱いている。つまり偽善者の自己満足に反感しているのだけど、その微妙な心理描写に説得力があって唸らされる。ロマンス要素もありで楽しめました。2022/12/27

MICK KICHI

98
<マンスリー・クリスティー> 無償の愛と言ってもそこには与えるものと与えられるものとの関係で大きく変わってしまうもの。そしてこの物語で象徴される歪んだ愛の様々の形が秀逸。一つの屋敷・家族をモデルに作られたいびつな愛の集合体がアガサがやりたかった事なんだろうなと感じる。探偵役を固定せず曖昧なまま視点をずらす手法、結末の唐突さ、と言っても想定内の範囲? 結末その謎解き云々より、「歪な愛の集合体」の思考実験に読者の興味を引きずる魅力が潜んでいる。推理小説としては解説にある通り失敗作なのかもしれないが...2019/06/13

nuit@積読消化中

87
アガサ・クリスティーの安定のおもしろさ。解説では「愛すべき失敗作」と書かれているが、これはあくまでも愛情ある高評価と捉えていいと思う。探偵役が一貫していないせいか、良い意味で「だから、やめときなさいって!」「お前が犯人だろう?」と素直に登場人物の言動や行動も楽しめました。最後の最後に疑っちゃってごめんなさいキャラがいますが、そのキャラもハッピーエンドになりそうで良かった。クリスティーは本当におもしろいわ〜。映画版とドラマ版の『ドーバー海峡殺人事件』も観なきゃ。2020/04/04

NAO

79
犯人と目されていた家族の無実が証明された。だが、それは、いいことだったのか?明らかにされた真実は、さもありなんというところだが、話の持って行き方はさすがクリスティ。2019/08/18

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