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内容説明
二十世紀後半、人類は多量の資源を消費し、廃棄物を自然界にまき散らすライフスタイルをエスカレートさせた。そのため自然の多様性は失われ、固有種の絶滅、異常気象の発生など、多大な影響が地球規模で発生している。環境を改変する力を持つ唯一の生物であるヒトは、今こそ、持続可能な生態系を再生させるために叡智を結集しなければならない。里山再生や淡水生態系の復活など、自然再生の思想と方法をやさしく解説する。
目次
序章 熱波に襲われたロンドンで
第1章 生物多様性の危機
第2章 生物多様性を育んだ共生と人類
第3章 征服型戦略の末路と積極的共生型戦略
第4章 健全な農業、健全な食卓をめざして
第5章 豊葦原の瑞穂の国の昔と今
第6章 英国の田園の自然再生
第7章 積極的共生型戦略の時代へ
終章 求められる悟りの科学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
45
日本のレイチェル・カーソンだ。植物学者の確かな目で自然を愛するが故に人間を告発する。生物多様性の重要性を人類史的に位置づけているところに説得力があり、西欧近代の自然に対する「征服型=植民型戦略」に、縄文的あるいはアイヌ的といってよい「共生型=定住型的戦略」を対峙させるところがユニーク。さらに著者の目に映る日本の自然が空恐ろしい。「その地域や土地利用で見られるはずの景色や植物や昆虫がいない」「外来生物がはびこる無国籍な植生」。その極め付けが「外来植物の巣窟としかいいようのない河原」だという。↓2016/06/18
オランジーナ@
1
あまり、図が無くて退屈でした。2017/01/22
ばやしこ
0
生態学の視点から、ヒトの進化、歴史、行動を紐解いたうえで、生物多様性の重要性と自然再生の理念と手法を説く流れにもってゆく。自然再生の手法って、本当にコツコツ、いろいろなものを取り除いたり手を入れたりしないと成り立たないのだなと感じた。不確実な因子が多く、気が遠くなる作業だけれど、手間をかけたものほど良いものができるのは、自然再生も同じなのだろう。2015/01/18
ユーリ
0
そこに生えるべき植生を見分けるのは極めて難しい。でも、できる限りそれに近づける努力、研究、実践はもっと評価されて欲しいと思う。 生物多様性をすべて解明するのは不可能に近いが、拾い上げて、評価につなげていくことが護ることの第一歩だと思った。2014/08/13
taming_sfc
0
鷲谷いづみ先生による2004年の著作。生物多様性の議論のまさに基礎となる書物である。話の中心は、主に生物多様性が重要であること、これまでの要素還元的科学主義が「征服型戦略」として把握可能であること、そして21世紀の環境共生のあり方は「積極的共生型戦略」でなければならず、国、地方自治体のみならず、企業、そして個人が「環境共生」の精神をもちつつ積極的に生物多様性の保護に努めていかねばならないとする。文章が極めて平易で、読者の知っている事例から話題を掘り起こすなど、まさに今読むべき一冊である。2010/11/17
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