内容説明
ある朝書斎で死体を見つけたら――そんなクラリサの空想は現実となった。平穏に暮らしていた彼女だが、ある日、夫の前妻と結婚した男の死体を客間で見つけたのだ。そこに通報もしてないのに警察が現われて、あわてて隠した死体が消失し……複雑怪奇な事件の顛末は? 傑作クライム・コメディ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
61
クリスティの戯曲は、大変素晴らしい作品です。但し小説と同じに読むと、良さが解らないかも知れません。出来れば自分が舞台を前に、俳優たちに向かって演出しているイメージで読むと良いでしょう。まるっきり違った作品に思えてきます。クラリサはある日、書斎で死体を見付けます。慌てて隠した死体は焼失し、呼んでもいないのに警察が現れ、どたばたと意外な犯人まで一気に進みます。クリスティでは珍しい、クライムコメディの傑作です。面白い、この作品を読むとクリスティがトリック以上に、一つの世界を創るのに長けた作家なのが分かります。2015/02/02
ごへいもち
33
再読。クリスティのいろいろなミステリのトリックが随所に見られて、そういう意味でも楽しかった。相変わらず犯人を忘れていたけど。解説者によるとクリスティの戯曲は演じられたものを見ないと本当の魅力はわからないそうだけど2015/06/14
Kircheis
32
★★★★☆ クリスティの戯曲で、かなりのヒット作らしい。 「検察側の証人」と比べても引けを取らないおもしろさ。 ヒロインのクラリサをはじめ、ローランド卿やピパなど登場人物が全員個性的かつ魅力的なのも素晴らしい。 ちなみに犯人については、確かに後から考えると怪しいものの、初見の時には全く気付くことができず…久しぶりに完全にやられちゃった。2018/11/08
みなみ
27
主人公のクラリサが死体を発見したものの、(義理の娘の犯行と思って)娘を庇うために死体を隠そうとしたら、警察がやって来て…というドタバタクライムコメディ。警察に対して嘘に嘘を重ねてがんじがらめになっていくところは、確かにタイトルどおり蜘蛛の巣のよう。ト書きに詳しく人物の行動が書かれているので、場面が想像しやすかった。2023/11/10
花乃雪音
27
『書斎の死体』を思わせる、突然目の前に現れた後消失する死体。ただ舞台上で人間の姿がなくなる演出ならマジックでもよく見かけるので特に驚くことはないだろう。消失トリックは何かと観客がじっくり考える間をおかせてくれない展開と注目すべきポイントもしっかり観客の目の前に存在する、クリスティーの最も舞台向きな作品だった。2020/08/28
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