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内容説明
もともと攘夷討幕論者だった渋沢栄一が、一橋(徳川)慶喜に仕えることとなり、幕臣となったのは24歳の時であった。働きどころを得て実力を発揮し、その才を認められた彼は、幕末の動乱が風雲急を告げる慶応3年(1867年)、徳川昭武の随員としてフランスに渡る。現地で“提供する側がおごらず、受け手が引け目をまったく感じない公共事業”を目の当たりにし、衝撃を受けた彼は、その後、終生にわたって「人の道と経済利益の両立」を掲げ、事業を展開する。日本初の株式会社制度を導入した静岡商法会所の設立、大蔵省の組織改革、第一国立銀行や五百余の民間企業の起業・育成……。渋沢にとって、私利はすなわち利他(他に利益を還元する)であり、一貫して公益の追求者であり続けた。本書は、経済面から明治日本の近代化を推進し、“日本資本主義の父”と称えられた実業家・渋沢栄一の事蹟を活写した長編小説である。『論語とソロバン』を改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かみば
2
半沢直樹に通ずるものを感じた。日本に生きている限り資本主義という仕組みは変えられない。その中でやはり大切なのは渋沢栄一の唱える「論語と算盤」という考えだ。この本は内容が区切りごとにまとめられていてとても読みやすく、さらに渋沢栄一について興味が湧いた。2020/08/17
amm
2
歴史無知で何も知らずに読むのに丁度良い内容になっていた。小説仕立てなので不意な脚色部分に気が散ったり、楽しかったりする。2024年から1万円札に登場予定。2019/06/23
レコバ
2
商を低俗なものと見る価値観は、論語に端を発し現在までも厳然と幅を利かしている。2016/03/22
pyongkichi1212
1
2024年度から刷新される新一万円札に登場すると決定したことで関連書籍が本屋に並べられていた。渋沢栄一、というと日本銀行の生みの親くらいの知識しか無かったこともあり本書を購入。幕末から明治維新に至る段階で、どうしても戦いの部分がクローズアップされがちだが、財政・経済の部分で日本を牽引した人物であることが理解できた。商人の地位を向上させることが近代日本の礎を築くと考える渋沢栄一。彼の真っすぐでエネルギッシュな姿には感銘を覚えた。2019/08/16
渡辺強志
1
新しい一万円札の肖像画が渋沢栄一になると聞きどんな人物なのかが気になり読みました。 フランスのバンクの仕組みを日本に持ち込み銀行を作ったり、留守政府の主要メンバーとして、明治維新と呼ばれる事業の大半に携わったりと、渋沢栄一がどんなことを行ってきたのかが大まかに掴むことができました。 会長等の肩書の数だけでも本に書ききれないくらいあるようなのでもっと渋沢栄一について知りたくなりました。 さらに渋沢栄一は論語を暗記するくらい読み込んでいて、事あるごとに論語の大切さを説いていたので論語も読んでみたくなりました。2019/07/01